23. ページ25
・
マイキーは“不良”だけど“悪い奴”じゃない。
少なくとも祭りにトラックで突っ込んで、関係のないヒナを殺しちまうような2017年の東京卍會、そんな組織のボスでは絶対にない。
何がマイキーを変えんだろう。
オレはそんな疑問を抱えたままヒナの家で勉強会をし、そのまま屋上で花火を見た。……疑問を抱えたまま、というのは少し嘘だ。正しくは少し忘れていた。…だって、そんな深刻な疑問を忘れてしまうくらいヒナと時間があまりにも楽しくて幸せだったから。
ここにずっといたい。未来になんか戻りたくない。そんなバカなことを考えてしまったバチが当たったのか、オレは間違えてナオトの手を握り───未来へ帰ってきてしまった。
そして、マイキーくんに会いに行こう、という話になった時、自分が過去を変えたことによりアッくんが未来の東卍の幹部になっていたことが判明した。
その後、無事アッくんと連絡が取れ、オレとナオトはアッくんに会いに行った───のだが、再会を喜ぶオレにアッくんは衝撃的な告白をする。
「オマエを線路に突き落としたのはオレだ」と。
聞けば、アッくん…そして今の東卍の奴らはみんな稀咲の言いなりで、東卍を辞めたくてもただひたすらに稀咲が怖くてやめられない、そんな絶望的な状況なのだという。オレは12年前とは変わり果ててしまったアッくんにかける言葉を失った。
そして、絶望的な告白はそれだけじゃ終わらなかった。「タケミチ」、そんなオレの名前を呼ぶと、アッくんは更なる衝撃的な事実を口に出す。
「マイキーが変わったのはドラケンが死んでからだ。」
「え?ドラケンが死んだ…?」
「…でも。ドラケンが死んで光を失ったマイキーにもまだ唯一心の拠り所があったんだ。それが…」
「Aさん」オレは無意識のうちにその名を口に出していた。そしてアッくんはそんなオレの返答に静かに頷いた。……やっぱり。
オレは、Aさんと出会ってまだ数日しか経ってないが、既に彼女がどれほどドラケンくん、そしてマイキーくんにとって大切な存在なのかが十分に見てわかった。ちょっとドラケンくんとマイキーくんは彼女に対して過保護すぎる気がしたけど。でも、それは少し納得がいった。
だって彼女は────
「そのAさんも…年前に死んじまった。それが最後のひと押しとなってマイキーは完全に闇に堕ちた。」
目を離した瞬間消えそうな儚い雰囲気を纏っていたから。
・
1500人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あり - めちゃくちゃ最高です!!応援してます!! (2021年7月7日 4時) (レス) id: 4b62ccfb07 (このIDを非表示/違反報告)
雪見大福(プロフ) - これからも無理せず頑張ってください (2021年7月5日 1時) (レス) id: 4031fb98ab (このIDを非表示/違反報告)
廃人グミ - うおおおお続きがきになるうううううう漫画の世界観を壊さないところとても好きですううわあ作者様の無理のない程度での更新待ってます!!!!! (2021年6月20日 0時) (レス) id: f0816d9602 (このIDを非表示/違反報告)
おからのおむすび(プロフ) - 葵さん» コメントありがとうございます!お返事遅れてすみません!私なんかには勿体ないくらいのお褒めの言葉ありがとうございます!!更新頑張りますね!! (2021年6月12日 8時) (レス) id: 3ed83b0be3 (このIDを非表示/違反報告)
おからのおむすび(プロフ) - とうふさん» コメントありがとうございます!お返事遅れてすみません!とても素敵なお言葉をいただけて嬉しすぎます…!!これからもたくさんニヤニヤしちゃってくださいね笑 (2021年6月12日 8時) (レス) id: 3ed83b0be3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:おからのおむすび | 作成日時:2021年5月16日 9時