私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

29.しっかり ページ30

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「俺は、救いたいと思う一心でここまで来た。
でも夢に入って謝ったところで果たしてAは許してくれるのだろうか。
戻りたくないと言われたらなんと言えばいい。
二度と来ないでと言われたらどうやって助ければいい。
俺は臆病者だ。助けるすべすらも見つけられない」





《義勇、さん……？》





花咲と一緒にいる俺を見て顔を青白くさせるアイツが脳裏に浮かぶ。



不安、動揺、疑問、そして……





絶望。





勘違いしていたんだ。



俺はドン底に落ちていたAを救えた気で居た。



俺はAを助けられた。



もう大丈夫。



そう思った。



いつも『しっかりしなきゃ』と呟くAを見て見ぬ振りをして。



助けたはずが、再び絶望させていたのは俺だった。



気づいた時にはもう遅くて、Aは一週間の休暇を貰っていた。



戻ってきたら謝ろう。



謝ればまた、前みたいに俺の隣で無邪気にアイツが笑っているはずだ。



そんな甘い考えがいけなかったんだ。





善逸「本当に、そうなんですか？」





俺の思いのうちの全てを伝えると、我妻はそう言った。





善逸「Aさん、冨岡さんとしのぶさんの話をしていると凄く優しい音を出すんです。いつもは静かな落ち着いた音なのに。二人に甘えているように」



伊之助「A、信じてたんじゃねぇの？お前らのこと」





我妻と嘴平の言葉にハッと我に返る。



行かなきゃダメだ。



もう一度、笑顔のアイツを見る為には。



俺と胡蝶は再び決心を決めた。





▽▽▽





新作始めました！！！





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無償で愛と優しさを貰えることを知らない少女と、





鬼殺隊、風柱さんとの優しくて温かい物語です。





し あ わ せ 【不 死 川 実 弥】
http://uranai.nosv.org/u.php/novel/877banana64/





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