私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

27.しっかり ページ28

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獏の言葉に炭治郎が黙ると、獏は満足したように笑い、呟くように唱えた。





獏「血鬼術、《白昼夢》」





すると、Aがいる玉からモヤモヤとしたものが出てきて、それは次第にしっかりと形を表した。





炭治郎「！！！」





そこに映っていたのは……





「俺、か……？」





Aと楽しそうに歩く俺。



これはいつの記憶だったか。



確か、Aが初めて十二鬼月を倒した記念に甘味処に足を運んだんだった。



顔色もハッキリとしていて、今の俺といたよりも幾分も楽しそうだった。





獏「これが、お嬢さんの楽しい夢だ。
今はまだ、こっちの世界にいた記憶がある。だが時間が経つに連れてそっちの世界が現実だと思い込み、完全にこっちの世界の記憶を忘れ、霧が全体にかかった瞬間、お嬢さんはそっちの世界の住人になる。
期間はおよそ一ヶ月だ」





本当の俺を忘れてしまう。



彼女が、夢の中の俺にすがりついてしまう。





獏「俺にはそっちの世界に行くことが出来る力がある。ただし、それには俺の力を貯める必要がある。いくら無限悪夢製造者のお嬢さんの夢を喰ってもせいぜい3日はかかる」





いいな、と獏に問いかけられれば俺と炭治郎は頷いた。



すると、ふと後ろが騒がしくなると鎹烏に呼び出させた他の組がこちらに走ってきた。





不死川「おい、冨岡……コイツ鬼じゃねぇか」



獏「ったく……何度言わせたら分かるんだこのポンコツ鬼狩り共め。俺はキブツジムザンとは関係ねぇっつーの！！」





不死川が獏に飛びかかろうとするのを制して炭治郎がこれまでの流れを説明し始めた。





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