26.しっかり ページ27
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獏「俺は多分知ってるだろうけど獏って言って、鬼だけどキブツジムザンが呪いをかけ忘れた鬼なわけ。
んで、俺は人を喰らう代わりに人間の悪夢を食べて生きてる。
悪夢の量が多すぎるとまぁ世にいう昏睡状態になるけど、悪夢を喰べ終われば元に戻るわけ」
鬼舞辻無惨が呪いをかけ忘れた鬼……
炭治郎「オレンジ色の髪の毛のこのくらいの背の女の人を見なかったか?」
炭治郎は自分の頬辺りを指さした。
獏「あぁ。お嬢さんのことか。彼女、面白いね。自分から悪夢喰べさせにくる人初めてだったよ」
獏がケラケラと笑うに頭に血が上った。
「……っ返せ!!Aを返せ!!!」
俺はそう叫ぶが、未だに獏は凍りついた笑みを浮かべたままだった。
獏「本当に?お嬢さんが俺の所に来た時、相当思い詰めた顔をしていたよ。お嬢さんは今、夢の中で楽しんでいる。アンタらなんじゃねぇの?お嬢さんを追い詰めたの」
獏の鋭い瞳に俺たちは怯む。
そんな俺たちを見かねてか、獏はポケットから真っ黒な丸い玉を取り出した。
「っA!」
玉の中には小さく閉じ込められたAがいた。
獏「昏睡状態にしちまって持ち歩くのが面倒だからこうした。見てみろ」
俺と炭治郎はそっと玉を見てみると、辺りは黒いモヤに包まれていて、不気味な色をしている。
獏「フツーなら悪夢を喰う度に霧は晴れていく。
が、このお嬢さんは相当辛い思いをしてきたか、こっちの世界に戻ってきたくないのか、はたまたその両方なのか。
霧はどんどん濃くなっていく。
この霧でお嬢さんの姿が見えなくなった時、お嬢さんは二度とこの眠りから冷めない」
俺たちは絶句した。
俺があんなこと言ったから……
助けてやれなかったから……
「どうすれば、いい……」
一番頼りたくない相手の顔を見る。
取り戻したい。
もう一度、あの笑顔を。
獏「簡単さ」
獏はニヤッと笑った。
獏「こっちの世界に帰ってきてもらえばいい」
炭治郎「だから、それが無理なんでしょう?僕らがAさんを救えなかったから」
獏「聞いとけ小僧。まだ話は終わっていねぇ」
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⊃あ゙さん。⊂ - 最高でした!!!面白かったです!他の作品も頑張ってくださいね!!! (2020年5月28日 23時) (レス) id: f0480ad40d (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - 情報ちゃんさん» コメントありがとうございます!獏やっぱりカッコイイですよね〜!!獏めっちゃ人気高いです笑 (2020年2月29日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
情報ちゃん - 最初の顔がいいから冨岡さんが好きって言った悪役の子マジで許さん!実弥さんのがかっこいいやん!とか意味分からん事で怒ってました()とても神作ですよ!獏めっちゃいい奴で惚れた!主様の作品他のも読んでますが最高です!これかも応援してます、 (2020年2月27日 18時) (レス) id: 856e5af163 (このIDを非表示/違反報告)
なつめ(プロフ) - るなさん» コメントありがとうございます!獏はかっこよく書こう!と思って書きました。惚れますよね......./////これからも応援よろしくお願いします。ご愛読ありがとうございました!! (2020年2月22日 22時) (レス) id: dca3be50ef (このIDを非表示/違反報告)
るな - 完結したのしばらく気づかなくてみるの遅くなってしまったことがただただショックです…。ほんとに素敵な話でした。獏にほれそうです。ネタバレになるので内容どこまで書いていいのかわかんないのですが、かまぼこ隊の子達がいい子過ぎますね笑これからも応援してます! (2020年2月21日 15時) (レス) id: e3f988178b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:なつめ | 作成日時:2019年10月22日 16時