私 が 、し っ か り し な き ゃ 。【冨 岡 義 勇】

22.しっかり ページ23

.





きっとこの先には柱たちが居るのであろう扉の前に来た。





にちか「お館様の御成です」





にちかさんがそう言った瞬間に扉が開けられ、伊黒さん、不死川さん、悲鳴嶼さん、しのぶさん、無一郎くん、煉獄さん、甘露寺さん、宇隨さん、そして冨岡さんと花咲さんが跪いていた。





花咲「お館様におかれましてもご壮健でなによりです。益々のご多幸を切にお祈り申し上げます」





花咲さんは太陽くん達が居たことに少し驚いていたが、つらつらと言葉を述べていた。



酷い、悪臭だ。



根から腐ったような匂い。



善逸も伊之助も嫌な感じがするのか、耳を塞いだり睨んだりと色々している。





お館様「実はね、この前から一週間の休みを取っているAが消えたんだ」



煉獄「よもやよもや！それは嬉しいことです！！」



宇隨「今日は派手に祝いしなきゃな」





柱たちが次々とAさんに対しての暴言を吐く。





太陽「黙ってください！！！！！」





そんな中、口を開いたのは太陽くんだった。





お館様「そうだよ。私の話はこれで終わりじゃない」





柱たちはみんなシンとする。





太陽「みんな……みんな何も知らない癖に……炭治郎さん達が姉ちゃんと話してるの聞いちゃったんだよ……
そこの、花咲さんの中に鬼が居ることを……」





柱たちから笑いが巻き起こる。





伊黒「アイツに洗脳されたか、弟よ。鬼というのは藤の花を嫌い、陽の光も嫌うのだ」



太陽「そんなことは知ってるよ！でも……俺たちは姉ちゃんを信じる！血の繋がっていない俺たちを愛してくれた姉ちゃんを！」





太陽くんが全てを言い終わった時、中庭は静寂に包まれていた。



花咲さん以外は。





花咲「フハハハッ！！！お姉ちゃんが居なくなってしまったショックで私が悪者に見えるのよ！
私が鬼を飼っている？私が犯人？ふざけた事言わないで！！！
アイツが冨岡さんと私が一緒にいるのが悔しくて私を刺したの！私をバカにしたの！
私知ってるわよ！アイツ捨てられたんでしょ！？可哀想に！親にも！誰にも愛されないで！！
ようやく見つけた居場所も可愛い私に奪われて！！どこにも居場所が無いアイツは……！」





その瞬間だった。




花咲「……え」









花咲さんの首が飛んだ。









いや、飛ばした。





俺が。





胡蝶「何やってるんですか！竈門く、ん……」





誰もが言葉を失った。





花咲さんの身体が、





サラサラと灰のように崩れていく。





.

23.しっかり→←21.しっかり

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す