貴方のこと ページ16
レイside
「それでもお前はまだ自分が死んだ方が良いと思ってんの?」
そんなことを言いながら昔のことを思い出していた
俺らが5歳ぐらいのことだった
俺は最初っからハウスのことを知ってたから
逃げなくちゃ、と思って知識を入れるために
好きでもない本をずっと読んでた
いつもいつも
つまんないなって思いながら
そんな時にお前が現れたんだ
木に背をあずけて自由時間に本を読んでた
“あの場所”に
最悪だと思った
いつもの特等席が取られてたから
違う場所探さなきゃって
いっそのことハウスの中に居ようかなって
戻ろうとした時に
お前は大きい声で俺の名前を呼んだんだ
___レイー!!
そんな大きい声で叫ばれたら無視する訳にもいかなくて
俺は振り返った
___俺、エドっていうの!ねーねー
オススメの本!教えてよ!
意外だった
エマとかノーマンみたいに一緒に鬼ごっこしようって誘ってくんのかと思った
オススメの本?
___いっつも本読んでるでしょー?
だから俺も本読んでみようと思って!
へへ…レイのマネ!
変な奴だと思った
同時に眩しい奴だと思った
太陽みたいな
ひまわりみたいな
とにかく底抜けに明るい奴だと思った
その後俺、断ったんだよなぁ…
そうしたらお前
___えーそっかぁ…
じゃあさ!俺!お前の隣で寝ててもいい?
ますます変な奴だ
エマですら断るともっと誘ってくるか不貞腐れてどっか行ったりするのに
なんでそんなに俺の隣にいたいんだよ
そんなことを思ってたら他の奴らに
鬼ごっこしよーって誘われてて
どうせそっち行くんだろうなって思って
ちょっとムッとして
なぜかがっかりしてた
それなのに
___俺今日レイと日向ぼっこするからムリー
って断って
少しだけ嬉しくなったんだ
それが恥ずかしくてあの時はそっけない態度取っちゃったけど
お前の隣は誰よりも安心して居心地が良かった
こんなの初めてだと思った
誰かのそばにいて居心地がいいなんて
その時からだ
お前が俺の【1番】になったのは
誰よりも死んでほしくなかった
誰よりも俺のそばにいて欲しかった
誰よりも俺のことを理解して欲しかった
誰よりも
誰よりも
俺の1番がお前であるように
お前の1番を俺にして欲しかった
他の奴らに取られたくなかった
だからことあるごとにお前の名前を呼んだ
今思えば単なる独占欲だったんだろう
あぁ…こんな時に気づいちまうなんて
俺、こいつのこと
好きだ
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作者名:81194エド | 作成日時:2023年1月12日 18時