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『失礼します』
｢どうぞ｣
この部屋に通いだして3週間が経った。
もう2月。
今日も冷え込みが激しく、
準備室ではストーブが炊かれていた。
『いつもありがとうございます』
当たり前のようにテーブルに置かれる珈琲。
そして、当たり前の様に砂糖だけを添えて。
｢僕は君の話が聞けるならそれでいいんだから。これくらい、気にしなくていいんだよ。｣
『私も、教授と過ごせるならそれで充分ですよ。こんなに良くして貰わなくたって、私は』
教授は突然私の腰掛けているソファに座り、
身体をギリギリまで私に近付けた。
鼻がくっつきそうな程の距離に、
驚いて硬直してしまう。
｢Aちゃん、思わせぶりは良くないよ｣
至近距離で見る教授の顔に
心臓が激しく波打って止まらない。
初めて、ちゃん付けで呼ばれた名前。
『本気、だったら良いんですか』
教授の顔は特に変わらなかった。
ただ、じっと私の目を溶かす様に見詰める。
お互いにきっと、凄く冷めた目をしている。
恋愛をしようと、どれだけ心が動こうと、
私達はこの目のせいで冷たいと思われる。
ソファの背もたれの上に
私を包み込むように置かれていた教授の右腕が、
ゆっくり私の背中側にまわる。
後頭部に、がっしりとした手のひらが当たり、
私の顔は教授の顔へ引き寄せられた。
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檸檬(プロフ) - まさなさん» ありがとうございます。 (2020年1月10日 14時) (
レス) id: 236ce81481 (このIDを非表示/違反報告)
まさな(プロフ) - こういうの好きなので頑張ってください…！！ (2020年1月10日 9時) (レス) id: 709458c7d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：檸檬 | 作成日時：2020年1月9日 20時
