86.お迎え ページ40
『疲れた…。』
思わず声に出てしまうぐらい、私の疲労感はMAXだった。
大学を出る直前まで、私は色々な人に捕まり、竈門さんのことについて質問攻めされてしまった。
そして、そのままバイト。
とにかく寝たい。
お風呂も入りたいが、寝たい。
〜♪
鞄の中でスマホが鳴り、画面も見ずに電話に出た。
『もしもし…?』
「もしもしー?
今バイト帰りか?」
竈門さんの声だと分かると、疲れが少しだけ吹っ飛んだ。
『そうですよー。
疲れました…。』
「はは、お疲れ様。
あのさ、大学で大丈夫だったか?」
電話越しでも分かる、私のことを心配してくれる声。
それがくすぐったくて、思わず口角が上がる。
『まぁ…色々な人に色々聞かれて疲れちゃいましたけど、竈門さんからの電話で吹っ飛びましたよ。』
嬉しくて、ブンブンと鞄を振りながら歩いた。
電話の向こうではなぜかクスクスと笑い声が聞こえた。
「そんな鞄を振り回しながら歩いたら危ないぞ?」
アパートまで約100メートル。
まさかと思い、スマホを耳に当てたまま辺りをキョロキョロと見回した。
目を細めてアパートの方をジッと見ると、正面から歩いてくる人が…。
『竈門さん!?』
「声が大きくて、電話の声と重なっているなぁ。」
私は通話を切り、駆け足で竈門さんの元へと向かった。
よく見ると、彼はTシャツに短パンという部屋着だった。
『迎えに来てくれたんですか?』
「そうだ。」
竈門さんはニコッと微笑み、自然と私の手を取った。
好きが溢れて爆発しそうだ。
アパートまでのわずかな距離で、何を聞かれたのかとか、竈門さんが聞かれた内容だと、今日の濃い1日を振り返った。
明日は少しだけでも薄くなったら嬉しい…。
『迎えに来てくれてありがとうございました。』
「どういたしまして。
お礼は…部屋に来てもらおうかな。」
昨日のことを思い出してしまい、恥ずかしさを隠すために『おやすみなさい!』と勢いよく言い、勢いよくドアを開け、勢いよくドアを閉めた。
でも、いつかは竈門さんと……ぎゃあ!!
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夜宵依 - とんでもねぇ竈門さんや (9月25日 23時) (レス) @page29 id: cf60383a45 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッ!!神ですか?作者様と炭治郎 (2021年6月6日 14時) (レス) id: fe5b1b0085 (このIDを非表示/違反報告)
レモンティー - ガァァァァァァァァッ!!やばいッッッ!!キスとか神すぎるッッッ!! (2021年6月6日 14時) (レス) id: fe5b1b0085 (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 続編もかっこよすぎるっ…!!もう、全然飽きません!どんどん読みますっ!! (2020年7月1日 19時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
如月 哀華 - 何回読んでも発狂して愛しの妹に引かれる私はおかしいのか?いや、発狂するのは普通だろ?それにブツブツブツブツ…… (2020年5月31日 16時) (レス) id: 76720d9193 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年5月15日 22時