幼なじみが落とそうとしてくる。【五条悟】 (ページ6)

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5. 付き合うなら… ページ6

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夏油くんが悟を確保してくれたおかげで、余計なことで絡まれずに教室にたどり着いた。
あのデリカシーのなさは、本当に問題だ。

「おはよ。
なんか、疲れてんね。」

朝から棒付きキャンディを舐めているのは、家入硝子。
彼女から、ぶどうの甘い香りがする。

『朝から悟に絡まれた。』

「あー、五条(クズ)ね。
そりゃあ疲れるわ。」

硝子の隣の席に座り、机の上に置いたリュックに倒れる。

その瞬間、教室に響くのは女子の黄色い声。
見なくても、悟が入ってきたのだと分かる。

「五条くん、おはよっ。」

「クッキー焼いたんだけど、食べるー？」

動物園のパンダを見るかのように、女子たちが群がる群がる…。
「おー、食う食う。」と言いながら、かわいくラッピングされたクッキーを受け取っていた。

「あのまま血糖値上がって、くたばったらいいのに。」

硝子は、私がポーッと見惚れてしまいそうになるぐらい上品な美人だ。
そんな顔立ちをしているのに、悟に対しては口が悪い。

なぜなら、私に対しての横柄な態度がムカつくからだそうだ。
硝子に愛されているなぁ…と、しみじみ思う。

「硝子、おはよう。」

「おはよー。」

私の真後ろに夏油くんが座った。
あの女子たちの群れから抜けてきたのだろう。
ちょっとだけ疲れている…ような気がする。

「夏油さぁ、あのクズどうにかしてよ。
朝からうるさいんだけど。」

『ちょっ…指さないの。』

人差し指を悟に向けていたので、思わずその指を掴んだ。
悟はそれに気付いていないようで、さっきもらったクッキーをおいしそうに食べている。

「申し訳ないけど、諦めるんだ。
去年も毎日こんな感じだったろ？」

硝子はチッ、と舌打ちをし、大袈裟に頬杖をついた。
夏油くんは困ったように微笑み、カバンから教科書類を出し始めた。

中学の時も、こんな感じだったなぁ…なんて。
だから、私は___…

『毎日こんな感じの人と付き合うなら、絶対に夏油くんと付き合った方がいいのにね。
絶対に幸せにしてくれそうだもん。』

夏油くんもイケメン(塩顔)だ。
しかも、性格は神レベルに優しい。
ぜっっっったいに夏油くんがいいに決まっている。

夏油くんはフフッと微笑み、「ありがとう。」と爽やかにお礼を言ってくれた。

ほら、絶対に夏油くんだよ。

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