一途にも程がある その5【時透無一郎】

183.下着 〜無一郎side〜 ページ3

『もう、洗濯するものない？』

「うん、ないよ。
ありがとう。」



ソファーに体育座りしてテレビを見ているAは、わざわざ俺の方を見て返事をしてくれた。
そういうさりげないところも好き。



ランドリーバスケットに入っている俺とAの服を洗濯機に……あっ！



チラッとAを見て、こっちを見ていないことを確認し、洗濯機に入れられたランドリーネットをチラッと見た。



これ、あれだよね…。
し、下着だー！
Aの下着は何回も見たけど、何か…リアルというか、生々しいというか…。



「むっ…無一郎…！」



Aが慌てた様子で脱衣所に入ってきた。
そして、俺の持っているバスケットの中をすごい勢いで見てきた。



「見た？」

『何が？』

「……下着。」



うん、ガッツリ見た。
中身が見れないのが残念だけど。



『今さら何言ってんのー。
Aの下着なんて何回も見てるよ？』



首を傾げてそう言うと、Aの顔はみるみる赤くなる。



「そ、そうだけど…！
あっ、いや…違くて…！
着けている時と、脱いだ時のものは何か違うでしょ…！」



あわあわと慌てているAがかわいい。
もー、ほんと、意地悪したくなる。



『これから毎日洗濯するんだから、いちいち敏感になってても仕方ないよ。
それよりも、下着だけ見ても興奮しないし。
俺は、Aの下着を脱がせる方が興奮す…「バカ！」



Aはプンプンと怒って、リビングに戻っていった。
ソファーに座る前にチラッと俺のことを見て、プイッとそっぽを向いた。
そんなことしても、かわいいだけだからね！

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