29.恐ろしい子 ページ30
何でここに無一郎がいるのだろうか。
まさか、カナヲが言ってくれた？
言わなくていいって言ったのに、優しいな…。
「黙っているならもう一回聞くけど、何してるの？」
私の腰に回された手に力が入った。
もう放してくれても大丈夫なんだけど、この冷めた空気の中でそんな発言はできず、口をギュッと閉じた。
「っ…何でAさんがいいわけ？」
私に怪我させようとしていたくせに、話をすり替えた。
それが無一郎にも伝わっていたみたいで、彼の眉がピクリと動いたのが見えた。
「何でって言われてもなぁ…。
全部好きだから。」
相変わらずと言ってもいいぐらい、サラッとそういうことを言う。
ほんと、恐ろしい子。
「まぁ、今はその話はいいよね。
何してたかった聞いてるんだけど？」
無一郎はニコッと微笑んだけど、背景がどす黒い。
さすがに女の子たちは言葉に詰まり、黙り込んでしまった。
「Aにひどいことしたら、どうなるか分かってるよね？
さっさとどっかに行って。」
無一郎の冷たい言葉に、3人はそそくさと逃げるように講義室を出て行った。
残されたのはもちろん、私と彼。
チラッと視線だけ上げると、目が合ってしまった。
「バカ、何で言わなかったの？」
さっきまで女の子の手首を掴んでいた手で、私の両頬を顎下から掴んだ。
「カナヲちゃんが教えてくれたからいいものの、��助けるから絶対に言って��って言ったのに。」
口を尖らせながらぶーぶー言う無一郎は、私の両頬をむにむにし始めた。
「俺が原因なんだから、余計に俺に頼ってほしかったなぁ。
バカA。」
『ごめん、心配かけたくなくて…。』
「心配ぐらいかけさせてよ。」
両頬を掴んでいた手は、いつの間にか顎に添えられていた。
そしてクイッと上を向かせられ…無一郎の顔が近付いて…こない。
「まさか、キスするかと思った？
そんなわけないでしょ。」
くつくつと笑う無一郎にカッとなった。
される直前にビンタでもしてやろうかと思ったけど、まさかの…！
ほんっと恐ろしい子！
でも、来てくれたのは嬉しかったよ。
これは本当です。
30.おあとがよろしくない→←28.自分より他人 〜無一郎side〜
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優衣 - 無一郎の「俺の奥さん｣にやられた❗もうかっこよすぎるよ♥️ (2023年5月8日 9時) (
レス) id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - 無一郎推しです 最高ですね何回も読んでますお気に入りの１つです(*´꒳`*) (2022年5月4日 11時) (レス) @page47 id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - プリ小説始めましたか？作者名「あめ」さんで『プレイボーイ』まで書いてますか？パクリかもしれないと思い報告させていただきました。同一人物だったらすみません… (2021年6月12日 21時) (レス) id: a8aae533dd (このIDを非表示/違反報告)
もろん - すっごくオモシロい！天才だ〜応援しています！！ (2021年6月8日 6時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - わたぬきくん。さん» 何回でも周回してぇえぇ！笑 (2020年8月22日 0時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2020年7月4日 19時
