28.自分より他人 〜無一郎side〜 ページ29
ガシッ!と、背後からいきなり肩を掴まれた。
かなりの力だったので驚いて、慌てて振り向いた。
『え、カナヲちゃん?』
そこには肩で息をしているカナヲちゃんがいた。
彼女から俺に用があるなんて初めてだ。
しかも、かなり焦っているので、急用だろう。
『どうしたの?』
「Aが、時透くんの友達の女の子に呼び出されたの。
心配するかもしれないから、時透くんには言わなくていいって言ってたけど、やっぱり不安で…。」
Aは昔っからこうだ。
小学校の時、隣のクラスの女の子に算数の教科書を貸してあげている場面を見た。
「はい。」
「え…借りてもいいの?」
「うん、次は算数じゃないから。」
本当は今から算数。
それなのに、教科書を忘れて泣いてしまっているその子を放っておけなかったのだ。
『次、うちのクラスも算数なのにどうするの?』
「私はいいの。」
Aはその日、先生にみんなの前で怒られた。
そして、何事もなかったかのように授業を受けていた。
Aは昔っから
自分より他人を優先。
だから今も、自分だけで背負おうとしている。
ほんとバカ。
『___カナヲちゃん、Aがどこにいるかわかる?』
「えっと…B201。」
『ありがとう。』
カナヲちゃんにお礼を言い、B201に急いで向かった。
近付くと、「私に言われても筋違いだし。」
というAの声が聞こえた。
覗くと、いつも俺の周りにいた女の子がAの肩を掴んだ瞬間だった。
体が勝手に動き、2人の間に割って入った。
もう少しでAが倒れそうなのもあって、怒りが湧き上がった。
『何してるの?』
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優衣 - 無一郎の「俺の奥さん」にやられた❗もうかっこよすぎるよ♥️ (5月8日 9時) (レス) id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - 無一郎推しです 最高ですね何回も読んでますお気に入りの1つです(*´꒳`*) (2022年5月4日 11時) (レス) @page47 id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - プリ小説始めましたか?作者名「あめ」さんで『プレイボーイ』まで書いてますか?パクリかもしれないと思い報告させていただきました。同一人物だったらすみません… (2021年6月12日 21時) (レス) id: a8aae533dd (このIDを非表示/違反報告)
もろん - すっごくオモシロい!天才だ〜応援しています!! (2021年6月8日 6時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - わたぬきくん。さん» 何回でも周回してぇえぇ!笑 (2020年8月22日 0時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:朔夜 | 作成日時:2020年7月4日 19時