13.好きになんてならない ページ14
食器の音、水の音…。
キッチンに誰かいるって安心する。
…無一郎だけど。
「はい、できたよー。」
『ありがと…。』
重い体を起こし、無一郎が運んできてくれたおかゆを見た。
卵が入っていて嬉しい。
「あーんしてあげようか？」
『いや、いいです。』
きっぱりと断り、おかゆの入った茶碗と木のスプーンを受け取った。
一口食べると、悔しいことにおいしかった。
「おいしい？」
無一郎はベッドに頬杖をついて、大きな目で私のことを見上げた。
『悔しいけどおいしい。』
「はは、何それ。」
無一郎は手を伸ばし、私の頭を撫でた。
わたしゃ猫か？
それとも犬か？
「大型犬撫でてるみたい。」
はい、犬だったみたいです。
しかも大型犬。
反抗する気力もなく、大人しく撫でられることを選んだ。
『…ねぇ、思ったんだけど…。
私のどこが好きなわけ？』
私の質問に無一郎はピタッと手を止めた。
そして、口角がクッと上がった。
「かわいいところ、優しいところ、自分より友達を優先するところ、不器用なところ、抜けているところ、ブラックコーヒー飲めないところ、一つのことに集中しちゃうと周りが見えなくなるところ、字が綺麗なところ、注射が嫌いなところ、チョコミントを��歯磨き粉��って言っちゃうところ__『ストップ！！』
私はベッドのそばにある棚に茶碗とスプーンを慌てて置き、無一郎の口を押さえた。
止めないと永遠話してそうで怖かったからだ。
というか、細かすぎる。
「まだまだあるけど？」
『も、もういい！』
無一郎は、口を押さえていた私の手をするりと取り、指を絡めてきた。
そういうのにあまり慣れていないので、無一郎相手にドキッとしてしまった。
「つまり、Aのぜーんぶが好きってこと。」
『バカじゃないの…。』
「Aになら何言われてもいーよ。
だから早く、俺のこと好きになってよ。」
他の子だったら、こんな少女漫画展開、絶対に好きになっている。
でも残念、この私だ。
『ならない。
対象として見たことないし、女たらしだし。』
「ふーん、そっかぁ。
じゃあ、好きになってくれたらAの負けだね。」
無一郎はくつくつと喉を鳴らして笑い、絡めてきた指を握ったり緩めたりしてきた。
その余裕はどこから来るのか分からないけど、ぜっっっったいに好きにならない。
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優衣 - 無一郎の「俺の奥さん｣にやられた❗もうかっこよすぎるよ♥️ (5月8日 9時) (
レス) id: 95d1cd5894 (このIDを非表示/違反報告)
霞桜 - 無一郎推しです 最高ですね何回も読んでますお気に入りの１つです(*´꒳`*) (2022年5月4日 11時) (レス) @page47 id: f3badad1aa (このIDを非表示/違反報告)
かすたーど - プリ小説始めましたか？作者名「あめ」さんで『プレイボーイ』まで書いてますか？パクリかもしれないと思い報告させていただきました。同一人物だったらすみません… (2021年6月12日 21時) (レス) id: a8aae533dd (このIDを非表示/違反報告)
もろん - すっごくオモシロい！天才だ〜応援しています！！ (2021年6月8日 6時) (レス) id: 2c8540451a (このIDを非表示/違反報告)
朔夜(プロフ) - わたぬきくん。さん» 何回でも周回してぇえぇ！笑 (2020年8月22日 0時) (レス) id: eb37705ec2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：朔夜 | 作成日時：2020年7月4日 19時
