私の隣の王子様 その8【竈門炭治郎】

336.お祝い ページ29

蜜璃も9月から実習なので、私たちのわがままを聞いてもらい、8月の上旬にお祝い(飲み会)をすることに決まった。
そして、今日がその当日だ。



「俺はまだ飲む！
俺たちのお祝いだからな！！」
「伊之助が飲むなら俺も飲むよぉ。」
「ちゃんと明日のこと考えて飲むんだぞ。」



飲みに飲んでいる我妻さんと嘴平さんを、まるでお父さんのように声をかけている。
私と蜜璃は、そんな3人をアテ？にしながらちびちびとお酒を飲んでいる。



「私たちも教育実習がんばろうね。」
『うん、がんばろ。』



蜜璃と互いに顔を合わせて微笑み、サングリアの入ったグラスを置いた。
すると、ガタッという椅子の音が私の隣から聞こえた。
振り向くと、ニッコニコの我妻さんがジャッキを持って座っていた。



「隣いーい？」
『いいですよ。』



質問される前に座っていることは、あえてツッコまないでおこう…。



「Aちゃん、蜜璃ちゃん、今日は来てくれて本当にありがとー。
俺、嬉しいよぉ。」



我妻さんは酔うと、語尾が無駄に伸びるみたいだ。
あと、顔も溶けている。(？)



『いえいえ。
いつもお世話になっていますし、おめでたいことですし。
改めて、おめでとうございます。』
「そうそう。
本当におめでとうございます。」



私と蜜璃でお祝いの言葉を伝えると、我妻さんの鼻の下がだらりと伸びた。



「ここは天国ですかぁぁぁぁ！？」
『居酒屋ですよ。』



クスクスと笑いながらそう言うと、我妻さんは私の肩に頭を乗せてきた。
金髪が頬を撫でてくすぐったい。



「俺、幸せぇ…。」



ゴトッ…！

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