私の隣の王子様 その8【竈門炭治郎】

332.ストーカー？ 〜炭治郎side〜 ページ25

「テスト終わるまで絶対に会わないので！
かわいくおねだりされても無理だからね！」



そう言われてしまったから、俺はすっごく我慢していた！
今日が最終日ということは教えてくれたので、この我慢を解き放つ！
だから、授業も何もないのに、仕事前に大学に来た！
匂いで探せたら一番いいけど、人が多い中では俺の鼻は役に立たない…。



Aがよく勉強しているのは、ラウンジ…にはいなかった。
じゃあ、もうひとつの候補である図書館だ。
鉢合わせたら困るので、泥棒みたいにこそこそっと図書館に入った。
「あ、竈門先輩だぁ。」と、こちらをチラチラ見て話している人たちもいるが、今は静かにしてほしい…！



____あ、いた。



ブラインドが閉められた窓際で、黙々と勉強をしているAがいた。
話しかけたいけど、「約束は？」と怒られるに決まっている。
だから、ストーカーのように遠くから見ていた。



…ちょっと待ってくれ！
何で時透くんがここに！？
え、え、何で隣に座るんだ！！



時透くんはAの隣に座ったかと思うと、椅子をAに近付けた。
肩と肩が触れ合っている！！
今は耳が利いてほしいが、あいにく耳は普通だ。
何を話しているのだろうか…。



ツンッ…



時透くんがAの頬を突いたのを見て、『んんっ。』と小さく声が漏れてしまった。
俺は…俺は…我慢しているのに…時透くんはいとも容易く…。
しかも、Aは笑っている…。



モヤモヤモヤ



胸がぎゅうっと苦しくなり、服の胸辺りをギュッと掴んだ。

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