223.別れたくない 〜炭治郎side〜 ページ43
「…しばらくの間、ひとりになりたい…。」
Aのその言葉に、頭が真っ白になった。
目の前で静かに泣いているAを見て、自分のやっしまったことの重さに気付かされた。
陽菜にキスをされたことをきちんと伝えていれば、こんなことにならなかったのだろう。
傷付けてしまうかもしれないと思い黙っていたのに、余計に傷付けてしまった。
泣かせてしまった。
『A…。
俺、別れたくない…。』
どこまでも自分本意な考えだ。
Aが欲しい言葉は何か分からないが、これではないことは確かだ。
「…ひとりで考えさせて…。
当分の間、連絡もしないで。」
Aからはひどく悲しくて、絶望を感じている匂いしかしない。
俺の大好きなお日様のような匂いは一切しない。
そうさせてしまったのも俺だ。
「仕事頑張ってね。
じゃあね。」
Aはくるりと踵を返し、早足でアパートに戻っていった。
腕を掴んで引き止めて、抱きしめたかった。
でも、俺にはその権利がない。
『嫌だ…嫌だ…。』
俺はその場にしゃがみ込み、前髪をクシャッと掴んだ。
そして、誰にも見られないように静かに涙を流した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 956人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
そらね - 正直言って陽菜ちゃん嫌いです。 (2020年11月15日 9時) (
レス) id: 4fd123f034 (このIDを非表示/違反報告)
凪 - 朔夜さん！これからもたくさん素敵なお話を作ってください！ (2020年7月23日 0時) (レス) id: c9bbef43dc (このIDを非表示/違反報告)
凪 - お話が面白すぎて……すごい……。(語彙力) 炭次郎の甘えてくるところがアアアアアアアアアアッッッッ！！！！！！たまらん！！！！！！ (2020年7月23日 0時) (レス) id: c9bbef43dc (このIDを非表示/違反報告)
鬼滅の刃大好き - 陽菜が炭治郎のこと好きなのはわかるけど、さすがにやりすぎぃ〜！炭治郎、夢主さん、がんばれ〜！！そしてそして！朔夜さんも頑張ってください！ (2020年7月4日 0時) (レス) id: 7db63c5bfe (このIDを非表示/違反報告)
蜂蜜色(プロフ) - 朔夜さん» んーっ！ (2020年6月8日 18時) (レス) id: 47360ddac9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：朔夜 | 作成日時：2020年6月3日 20時
