【第五人格】箱に閉じ込められた... (ページ10)

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リッパー(テンタクル)の場合ページ10

彼はとても紳士で真摯だ。
薔薇の杖でサバイバー男女問わずにお姫様抱っこする光景を見たら誰もがそう言うだろう。

私の目の前で鼻歌を歌う紳士はここだ

触手に寄生された腕は彼の意思関係なく動くらしい

「いやー貴方のような綺麗な女性と狭い箱で二人っきりというのはとても嬉しいことでありますね」

仮面の奥底でニコニコと笑うリッパー...いやジャック

今の体制はと言うとリッパーが足を伸ばしていてその上に私がリッパーに密着しているように跨っているというわけ

そして、さっきからその紳士からのセクハラ行為が面倒くさい

「式を挙げるのは何時に致しましょう？」

私の手をとり嬲り尽くすように眺める彼

『すみません。気持ち悪いです。』

「大丈夫さ。気持ち悪いのはこの寄生した触手のみだからさ。私の指示通りに動いてくれないのが罪なのだけれど」

触手はリッパーの仮面をひっぺがすように顔に張り付く

リッパーは苦悶の表情を見せている

『リッパー』

「何ですか？」

『その、触手を言い様に足に絡まないで頂きたいんですけど』

「流石にバレてましたか。大丈夫ですよ。堕ちる時は一瞬ですから_」

リッパーはいきなりパコっと仮面を浮かせたかと思うとその長い舌で頬を舐めてきた。

なんとも形容しがたい感触に全身に鳥肌が立つ

『...っ！』

「おやおや震えていますね」

決して震えてはいないのだけれど生理的に来る異形には少し恐怖すら感じる

リッパーはジャケットを脱ぎ私の肩にかける

男性特有の匂いなのかはたまた彼のお気に入り香水なのだろうか嫌ではなく寧ろ鼻を伝ういい匂いが通る

「女性は寒がりですからね。この箱から出たら温めてあげましょう。

暖炉の傍であなたと一緒に冬ですからね。」

腰を支えてぎゅうっと抱きしめられる
腰に当たる手はうにょうにょと肌を這う

『それは...いいですね。私もあなたの鼻歌で毎晩眠りにつきたいです』

「Aさん今度から私の名を読んでくださいませんか？」

『ジャック？ですか。いいですよ。』

「私のもう1人の人格の名です。」

切り裂きジャック...古くからの殺人鬼

ジャックは私の顎に手を添えると仮面越しに口付けをした

数秒後イライの地雷プレイにより箱は壊されたのであった