【過去編】私が恋したきっかけは。 ページ29
tn｢……うわ、なんやこれ｣
夏場だったこともあり開け放った窓から親のヒステリックな声が丸聞こえだったようで遊びに来る予定だったトンちゃんが予定より早く駆けつけた
tn｢何してんスか。アンタら｣
『は？』
父親がトンちゃんへ振り返る
その目は完全にトンちゃんを見下していたがトンちゃんは臆せずその大きな赤い目で睨み返した
tn｢娘が見つけた趣味潰して頭ごなしに怒鳴り散らして、何してんスか｣
『……趣味って』
両親はトンちゃんにも軽蔑するような視線をぶつけた
ウチの両親は揃いも揃って頭の固い人間だった
『女の子はね、可愛くいなければいけないのよ。トントンくんも可愛い子好きでしょう？周りの女の子たちはみんな可愛いフリルの服を着ていて可愛らしくしている。それなのにこの子は…』
母親はまるで夢見る乙女みたいな目でそう語った
正直ゾッとするが、トンちゃんはそれをふんっと鼻で笑い飛ばした
tn｢女の子は可愛くあれとか誰が決めたん｣
『ぇっ…』
tn｢聞いてんねん。全員が全員、可愛い女の子が好きって誰が言ったん。｣
口を噤んだ母親。見かねた父親が困惑しながらも口を開いた
『そりゃあ女は淑やかに愛らしくいるのが……』
もごもごと、先程の威勢は何処へやら言い訳じみた事を言う父親にトンちゃんは声をあげた
tn｢いい加減にしろ！｣
『｢……！！｣』
tn｢俺は！可愛い女なんかどうでもいい。人間は中身や！だから、……ええやん。男装したってAカッコイイし。俺は好きやで、カッコイイAもいつもの無邪気なAも｣
｢トンちゃん……！｣
言いながら私の方を見てにぃっと笑う彼の顔はひたすらに明るくて、絶望して暗くなっていた私の心に一筋の光が差し込んだような錯覚を覚えた
そんなトンちゃんに押された両親はひたすらに黙りこくっていたが、それに気にせずトコトコと2人に近づいたトンちゃんは2人を見上げて同じようにニッと笑った
tn｢なぁ、そんな怒らんでや。せっかくAが自分で工夫しながら楽しんでる趣味なんやで？服作るのなんてそうそう出来るもんやないやろ？親なら、こういうの応援するもんやないんですか｣
『……っ』
tn｢あ、ちなみにAはレズやないし。ただ自分のカッコ良さに気づいてしもただけやから、な！A｣
｢……うん！ふふ｣
笑う余裕も出てきて涙を流しながら笑って見せればトンちゃんも満足気に笑い、頭を撫でられた
その後、両親に謝罪され事なきを得たのだった
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おぼろどうふ(プロフ) - 樹乃さん» クズ兄妹の方でもコメントしてくださった樹乃さん！ありがとうございます！皆さんがよりキュンキュン出来るような文章を紡げる事を目標にしてたので率直な感想がいただけると大変嬉しく思います！！新しい作品も生み出していきたいと思いますのでよろしくお願いします！ (10月29日 16時) (
レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
樹乃(プロフ) - こんにちは！！！大好きです！！！！！(唐突な告白)あーもーワシの性癖にﾄﾞｩｸｼｯ！！ってなりました(語彙力) (10月28日 19時) (レス) @page27 id: df66a330f6 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - 噫さん» コメントありがとうございます〜レア組と総統の生声が聞きたい今日この頃でございます (2023年2月2日 19時) (レス) @page35 id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
噫 - はわ…ｯこのレア組と夢主と毒素と夢主の絡みが非常に…良いｯ！！！うわ！！すきです！！！ (2023年2月2日 5時) (レス) @page39 id: 83dbe52863 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - 宇琉夜ハルさん» 12月29日訂正箇所ありになっちまった……気付きあざす！全然気づかなかったッス (2021年12月29日 13時) (レス) id: 464a1b954d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おぼろどうふ | 作成日時：2020年12月30日 12時
