041.増田俊樹 ページ41
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俊樹ごめん、電話出れなかった。どうかした?
珍しくAからメールが来た。
A今日は私がお金を出すので飲まない?
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増田「えっ……!?」
思わず大きな声が口から溢れてしまった。
俺の目に映っているAは
「心機一転、髪の毛切ってみた」
今まで背中くらいまで伸ばしていた長い髪の毛をバッサリときり
肩くらいのミディアムヘアに変わっていたから。
「座って座って」そう急かされた俺は潔く向かいの席に座る。
「髪にあってるよ」そう言うと髪をいじりつつ照れながら
『ありがと、』
と顔を隠すAにキュンとしてしまうのは
だいぶ前から未練が残っているからだ。
『俊樹……、』
「ん?」
『歌詞、ありがとう。』
「ん。」
見てくれたらしい、俺が書いた歌詞を。
安元「こっちゃんの家行くんだけど伝えたい事とかある?」
増田「浪川さんの事務所のこと言うんすか?」
安元「そうそう、来週あたりに」
増田「なら________」
俺なりの応援の仕方。
直接言うのは照れくさいからこの伝え方しか出来ないんだ。
増田「その歌詞はA名義でいい。」
「え、そしたらお金とか……」
増田「金目当てじゃねぇもん」
そう、今はお金なんてどうでもいい
14年前に伝えてしまった別れを……、
俺の一方的な事情だけで好きなまま告げた別れの言葉を……、
大切な人を泣かせてしまった俺は、
長い月日を経て________
増田「これあげる」
「え、なにこれ、ミサンガ?」
・
増田「好き」
目の前の大好きな彼女にこの言葉を送った
増田「付き合って欲しい」
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作者名:にむ | 作成日時:2021年9月8日 13時