19日目 ページ20
「はぁっ…はぁっ……」
その場に座り込み、ゆっくりと呼吸をする。唇も口の中も何もかもが気持ち悪い。
頭も回らなくて、体も動かなくて、まるで操り人形のような感覚に囚われていた、自分が怖くて、嫌…。
服を取り、ゆっくりと着る。これ、私が寝る時に使おうとしていた大きめのパーカーとジャージ…。何も無い日の普段着でもあるから、こんな時だけど、少し落ち着く…。
「……着替えました」
「こっちに来い」
二人がけのソファ。中原さんはポンポンっと隣を叩いている。座れってことだよね…。
私は渋々座り込んだ。すると、彼は見覚えのあるスマホを目の前に出してきた。
これ、私のスマホ…!
「返してください!」
「待て。言っただろ?やりたいことやらせてやるってな。兄に連絡しろ」
「…いいんですか」
「言うことは俺が決めてある。それをそっくりそのまま伝えろ」
それじゃあ、意味が無いよ。「助けて」の「た」も言えない…。
でも…もし、心配をかけてるとしたら…。
「分かりました。そのまま伝えます」
「口調も気をつけろ。バレない程度の元気さで言え。……約束しろ。じゃねェと俺は、手前を殺す」
「…え?」
中原さんを見ると、目の前にナイフがあった。どういうこと…?自意識過剰みたいになるけど、こと人は私に惚れたんじゃないの…?
「俺は手前に惚れた。傷つけるなんてしたくねェ。けどな、俺は手前が死体になろうが、ホルマリン漬けにでもしてそばに置く」
この人は狂っている。死体を愛すなんて、おかしい。
私の頬に、冷や汗が一筋零れ落ちた。
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文豪少女 - 最高の作品ありがとう御座います!今度は双黒エンド出来たら見たいです!これからも頑張って下さい! (2019年8月2日 16時) (レス) id: b787729310 (このIDを非表示/違反報告)
瑠宇来(プロフ) - 最高すぎでした!双黒エンド見たいです! (2019年6月30日 23時) (レス) id: a67282984c (このIDを非表示/違反報告)
♪美桜♪ - 最高でした!双黒END見たいです!出来たら書いてください!お願いします! (2018年10月10日 14時) (レス) id: 951996096a (このIDを非表示/違反報告)
アイカ(プロフ) - 双黒エンド見たいです!! (2018年5月10日 22時) (レス) id: c5df0e4c03 (このIDを非表示/違反報告)
朔 - 双黒endみたいですね (2018年5月10日 16時) (レス) id: c831905666 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アイラ@太宰さんlove | 作者ホームページ:No
作成日時:2018年4月29日 22時