【実.況.者】社内恋愛禁止

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- 牛沢ver. -



「あれ、あそこにいるのって…？」



「あれ？牛沢係長、タバコ吸うんや」



「ね。知らなかった。私聞きたいことあるんだった！レトくん先に先取っておいて。あ、メロンパンあったら買っておいて！」



「んー、わかった」



お昼休み、牛沢係長がいたのは喫煙所。タバコのイメージがなかった係長がぼーっとタバコを吸っている姿はギャップのせいか、少しキュンとするなと思いながら喫煙所に入る。



「ごほっ…あの、係長。」



「…え、あ。どうした？ごめん、火消す」



「いえ！気にせず吸ってください。というか、係長タバコ吸うんですね。初めて見ました。」



そう言うと、苦い顔した牛沢係長は消しかけたタバコをもう一度口にした。

なんというか、色気がある。匂いはきついけど。



「大学生の時だけ吸ってて、もう辞めたんだけどさ。ストレス溜まるとこう、吸いたくなるっていうか……てか、橋田のとこにこれから行くと思うけど、この前のコンペの結果、ダメそうだわ」



牛沢係長が誰よりも遅い時間までコンペの準備を重ねていたのは知っていた。見直しだけじゃなくてゼロから作り上げられる係長は、今回の結果にへこんでいる様子は見て取れた。



「後輩に仕事増やさせて結局ダメとかカッコ悪いよな。ごめん」



乾いた笑いで弱気な係長をどうにか元気付けたくて、でもどうするべきか思いつかない。

ため息をつきながら係長が手を離したタバコを不慣れながら口にした。上手く吸えなくて、咳込んでしまう。



「っごほ、ごほ…うえ…っ、こんな不味いのより、一緒にごはん食べましょう！」



「え？」



「タバコは体に悪いし、みんなでご飯食べれば元気出ます！だからタバコやめましょう！」



でもタバコ吸ってる係長はカッコいいから勿体無いかもな、とも思う。係長を見ると小さく笑っていて少し嬉しそう。



「タバコ吸う男、好きなんだ？」



「え？そんなこと…っ、私それ声に出て…？」



穴があったら入りたいと思うくらい恥ずかしくなっていると、すぐに係長はタバコの火を消した。



「それって天然でやってる？…ほんと、心配になるなあ…ほら、飯食い行くぞ」



「え、あっはい！」



「あ…俺が吸ってるとこ、Aが見たいなら見せてあげるけど？特別な」



これは係長が飽きるまで弄られるやつだ。まあ、元気になってくれたからよかった…のかな。



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(カッコいい、は反則でしょ)

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