第11話 仏面鬼心 ページ11
主side
恵は俺が電話したあの後、色々あったらしく、二日後にボロボロの状態で帰ってきた。
『恵お疲れ様ー!なんかいい感じの包帯巻いてんじゃん!ファッション?』
「どこをどう見たらこれがファッションに見えるんだ…!」
恵はため息をつき、頭を抱える。
『そんなことよりほら、お前が好きなコーヒー。飲めよ。話でも聞かせてくれ。』
俺たちは近くにあった石階段に腰を落ち着かせ、飲み物を飲む。
俺がこうして、高専の入口で恵を待ってたのは五条先生から聞いた宿儺の器に関して行動を共にした恵に話を聞いてみたかった。
恵から任務で起こった事を一通り聞き終わり、飲み物も飲み干した。
『宿儺の器…虎杖悠仁だっけ?どんな子なの?』
「…明るいヤツだ。人懐っこくて人当たりもいい。
紛うことなき善人。
他人の為に命まで掛けれるやつだ。」
『ふーん…恵がそこまで言うんだったら、相当良い奴なんだな。その悠仁って子。
今日の昼頃だろ?その子が高専に来る日って。』
「あぁ。俺はこのまま家入さんの治療受けて寝る。」
『俺はこれから任務だ。悪いな俺も反転術式で他人を治せたら今すぐにでも治してやれるんだけど…如何せん自分以外に使うのはさっぱりだ。』
「そこまでお前に手をかけられる必要は無い。さっさと行け。」
『っんだよ。つれねーなー。』
石階段から腰を上げ、近くにあったゴミ箱に持っていたジュース缶を投げ入れる。
恵も立ち上がり、そのまま階段を登る。
『じゃあな。ゆっくり寝て早く治せよ。』
「…子供扱いするな。」
『ははっ、してねーよ。』
☆
現在、補助監督の伊地知さんと共に車で被害が出たという東京都内の廃ビルへと向かっている最中だ。
『伊地知さんさぁ〜、俺が一応特級呪術師って分かるよね?』
「…?えぇ。それがどうかしたんですか?」
『それじゃあ!!なんで!!俺がこんな三級の呪術師でもこなせるような任務をしないといけないのさ!?
おかしくない!?』
「危険度が高い任務はもう他の呪術師の方が行っちゃいましたからね…」
伊地知さんは仕方ないですと言いながら文句を言い続ける俺を適度に受け流し、安全運転を続ける。
『伊地知さんさっきから適当に返事してるから後でマジデコピンするから。』
まぁでも、早めに終わらせて虎杖悠仁君に会いに行くのもありか…そうしよう。
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ノア - とても面白かったです。更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月13日 21時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2020年11月1日 8時