第1話 始まり ページ1
『んー…御神体として宿儺の指を祀っている神社って…それっていいものなのか…』
特級呪物である両面宿儺の指を封印している木箱を手に取り、中にちゃんと指が入っているか確認する。
「よし…ちゃんと入ってるな。」
神社の本殿を出たあと、携帯を手に取り五条先生に連絡する。
「お疲れサマンサ!ちゃんと宿儺の指見つけてくれた!?」
『ちゃんと見つけましたよ。ていうか…なんで神社の御神体が宿儺の指なんですか…』
「魔除になるから以外に理由はないんじゃない?そんじゃそれすぐに持って帰ってきてねー。よろしく!」
この人ホントいっつも適当だな…。
そーいえば恵も宿儺の指の捜索の任務に当たってたよな…どうなったんだろ…ちょっと電話してみるか。
『……お、恵!こっちの任務はもう終わったんだが、そっちの任務はどうだ?』
「……ない」
数秒の沈黙の後ぼそっと恵が何かを喋ったがあまり聴き取れなかった。
『…えっ?』
「指が置かれていた場所に…指がない…」
予想外の展開に空いた口が塞がらない。
沈黙の後に咄嗟に俺から出た言葉は……
『……まじ?』
「大マジだ…とりあえず五条先生に連絡してみる…」
恵からため息が聞こえたかと思うと通話は切れてしまった。
恵……大丈夫か?
☆
神社から高専まではそう遠くなく、すぐに帰ってこれた。
俺は夜蛾学長に宿儺の指を渡した後、高専の寮へ戻った。
「やぁやぁ!若き特級呪術師はやっぱり仕事が早いね!うんうん!先生も鼻が高いよ〜!」
寮へ戻る途中、とてもめんどくさい生き物に出逢ってしまった。
俺の師であり、東京都立呪術高等専門学校の一年生の担任をしている現呪術界最強の呪術師、五条悟だ。
『……それはどーも…』
面倒臭いから話しかけてくるなオーラを放ちながら俺は寮の自室へと向かう。
その後ろをテクテクとまるで子供かのように五条先生はついてくる。
「なに?ご機嫌ナナメなの?なにかあった?失恋?」
まるでマシンガンのように五条先生の口は止まることを知らず、ずーっと俺に喋りかけてくる。
この人には疲れているから静かに休ませてあげるという優しさは持ち合わせていないのか…
『疲れてるから早く自室に戻って休みたいんですっ!』
五条先生の方へ振り返り、声を張り上げる
そう、何を隠そう俺は朝から三件もの任務を終わらせた後に五条先生の仕事であった今回の宿儺の指の回収に向かわされたのだ…
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ノア - とても面白かったです。更新楽しみにしてます。頑張って下さい。 (2021年2月13日 21時) (レス) id: b55d75de00 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2020年11月1日 8時