第四十三話 ページ43
「あんたってひ弱そうに見えて結構出来るわね…」
「まぁ…こっち入学した時に先に先輩達から鍛えられたからね……」
「ふーん……でも、あんたって使うのは刀でしょ?さっきみたいなゴリゴリの近接戦闘なんかあんまりしないんじゃない?」
「確かに、僕の呪具の一つは刀だけど、鎖鎌もあるしそれに人相手だと近接戦闘になることが多いんだ。」
「へぇ……見かけによらずちゃんと考えてんのね。」
「見かけによらずって……ひどいな……」
僕ってそんなに頼りないのだろうか……まぁ悠仁みたいに動けるわけじゃないし、伏黒君みたいにThe男みたいな感じじゃないもんな……
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そのまま二人と解散して僕は寮の自室に戻った。
「今日も疲れた〜!」
ベットに寝転ぶとほんの数分で僕は寝てしまった。
その間に僕は夢を見た……父と母の夢だ。
二人の記憶が僕の夢に流れ込んでくる。
二人の呪力を貰ったからだろうか?でも、とても心地いい夢だった気がする。
起きた時には夢の内容はほとんど忘れてしまった。
ただ、覚えていたのは心の温かさと父と母の事だったという事だけだ。
携帯が着信を知らせる…着信元は真希さんからだった。
「は、はい!一条です!」
「何かしこまってんだ?今日もやるからな。逃げずに来いよ」
「わ、分かりました……あ、すみませんもう一本電話が入ったので切りますね」
「おう。」
次は五条先生からの電話だった。
「やぁ!おはようA!ちょっと君に頼みたい事があるから、地下の修練場まで来てくれない?」
「え?でも、今日は二年の先輩方と稽古が……」
「んじゃよろしくー!」
切った……人の話も聞かずに電話を……まぁ、すぐ終わらせて稽古に向かえばいいか……
僕は地下に向かい修練場に着き、ドアを開けると五条先生と悠仁がちょうど戦っていた。
「おっ来たね!A!今、悠仁に修行をつけてるんだけど、ちょっとして欲しいことがあるんだ。」
「して欲しいこと?なんですか?」
「君の領域展開を悠仁に掛けて戦って欲しい。」
え?僕の領域展開……?
「ちょ、ちょっと待ってください!そんなことしたら悠仁が!」
「大丈夫だA!頼む!」
「僕からもお願いするよ。これを頼めるのは君だけなんだ。」
「……分かりました……けど、危ないと感じたらすぐに辞めますからね。」
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時