第四十一話 ページ42
「おわっ!!フルチンじゃん!」
「ごごご、五条さん!い、いいいい生き」
「クックッ伊地知うるさい。」
悠仁が……生きて……?生きてるのか?本当に!?
「悠仁!おかえり!!」
「悠仁…本当に…よかった…!」
「オッス!ただいま!五条先生!A!」
涙が溢れそうになる。いや、もう溢れていた。
頬に熱い涙がいっぱい流れてしまう。
「なに、泣いてんだよA…!」
そう言って悠仁はいつものようにニコッと笑う。
「よかった…良かったよ……僕、君が死んだら……本当に……」
「ありがとな……A。俺の事そんなに心配してくれて……」
「うん……!」
「なぁ!俺がやっぱり生きてました!ってみんなに顔合わせたらビックリするかな!?」
悠仁はイタズラ少年のような顔をして笑う。
多分ビックリするっていうよりキレられそうな気がするなぁ。
「悠仁には、今から修行を受けてもらうよ。また、狙われる前に力をつけてもらう。もちろん、みんなには内緒。Aも誰にも言わないでね。」
今回の事件で、悠仁が生きてるとなるとまた上層部の連中が悠仁を狙い出す……
その前に悠仁を死んだことにして匿い、殺されないように力をつけさせるのか……
「分かりました。死んでも口外しません。」
「えぇ……ま、いっか!みんなに会えねーのは寂しいけど、Aに会えたしな!」
「うん。僕も悠仁が生き返ってすごく嬉しいよ。修行頑張ってね。五条先生は厳しいから……」
「おう!」
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「もしもし?一条です。五条さんとの件ですが、彼と行動を一緒にするつもりはありません。そんな暇があったら呪いを祓いに行きますので。文句も受け付けません。ではさよなら。」
今現在は二年生の先輩方に交流会に向けてしごきを受けていた……釘崎さんが……
「ツナ?」
「あ、さっきの電話ですか?ちょっと上の方から頼まれてた事があって…」
「おかか?こんぶ!」
「大丈夫ですよ!そんな大したことじゃないですし、それよりも狗巻先輩!僕の体術見てくれませんか?」
「しゃけ!」
そう。狗巻先輩は悠仁や真希さんの運動神経に隠れているが、とても運動神経が良くて、体術も得意だ。
呪言師は近接も多くなるらしく、よく格闘術を習っていたらしい。
パンダ先輩から聞いた。
狗巻先輩の体術は流れるように相手の力を使い、投げたり、いなしたりと状況によってとても使いやすい。
この人のように体を動かせたら戦闘の幅も広がるだろうか……
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時