第四十話 ページ41
「逆に殺されないようにミッチリしごいてやるぞ!まぁ、そこにいるウジウジ特級呪術師君には必要ないかも知らないけどな!」
「なっ!?やりますよ!えぇ!やってやりますよ!どんなしごきにも耐えてやろうじゃありませんか!」
「じゃあ決まりだな!お前らもやるだろ?仲間が死んだんだからな。」
釘崎さんと伏黒君は口を揃えて「やる」と口にした。
やってやる。悠仁の分まで。僕はもっと強くなってやる。
その時、一本の電話が鳴り響いた。
着信元は五条先生だ。
「もしもし?五条先生ですか?悠仁の件で聞きたいことがあって何件か電話を掛けたんですけど……」
「その事だけどね。ちょっと今から高専の地下に来てくれないかな?」
「……?分かりました。今から行きます。」
高専の地下か……悠仁の解剖でも始めるのかな……?
行きたくないなぁ……
「A…?どうした?」
「あ、真希さん……ちょっと五条先生に呼ばれたので、行ってきますね。」
「あ?まじかよ。じゃあ行ってこい。」
「はい。すみません」
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「五条先生……?ここは……?」
「来たね……A。とりあえず、ここ座りな。」
五条先生は隣の椅子をぽんぽんと叩く。隣には伊地知さんが立っていた。
僕はその椅子に座った。
そして、目の前の手術台の様なものに悠仁の遺体があった。
「本当に……悠仁は死んだんですね……」
「あぁ……」
僕と五条先生との間に長い沈黙が流れる。
時間が一秒と進むにつれて、悠仁の死が現実味を帯びていき、とても息苦しかった。
その時、五条先生の口が開いた。
「Aはさ、まだこの世界に飛び込んで三四ヶ月くらいだけど…この上の連中をどう思う?」
「……これは僕のただの悪口だと思ってくれてもいいですか?……」
「なんだい?……言ってみな。」
「……馬鹿ばかりのクソジジイ共の集まりですよ。人の意見も聞かず、世襲だけを気にして生きている。今回の悠仁の件も…資料を読みましたけど、特級呪霊になる可能性のある任務に一年生三名だけ派遣はおかしすぎます。正直なところ……すごくムカついてますよ……彼らが呪いならすぐに祓います」
五条先生は少し俯いたあと、笑いながら僕の肩を優しく叩く。
「やっぱり、Aは僕と似てるよね!術式もそうだけどさ!考え方も!」
「五条先生には全然敵いませんよ……」
「そんなことないさ……君は僕を超える力を必ず持っている。」
その瞬間、悠仁が手術台から起き上がった。
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時