第四十六話 ページ45
「予防みたいなものだね。壁を張ってれば相手の術式に優れば術式を消せるし、負けても術式を感知できる。
そして、念の為に体に張った呪力の膜で術式がかすってもダメージは無いんだ。」
「なるほどなぁ……それがAの領域展開の中で戦う方法か……難しいなぁ……」
「そうだね。
戦いはどれだけ自分の得意を相手に押し付けるか。
領域展開は自分の最大限を発揮出来る場所に相手を押し入れてるような場所だからね。」
「なるほどなぁ……得意を押し付けるか……」
「それじゃ一度僕の領域展開で戦ってみようか……いくよ。
領域展開……黒陰天地」
「あれ?今度は確かに真っ暗だけど、Aの姿は見えるし……五感はしっかりあるぞ?」
「説明しながらやろうと思ってね。今から悠仁の五感を奪うから悠仁は僕に攻撃を止めずにしてきてね。
そして、それが僕に有効打だったのかも悠仁にはわかるようになって欲しい。」
「わかった!要するに呪力のこもった拳で殴ればいいってことだな!」
「まぁ、そんな感じだね。それじゃいくよ!」
僕は悠仁の五感を遮断し、少しだけ距離をとる。
悠仁は先ほどと同じように集中し始め、構えをとる。
僕を感知したのか、僕の方に向き直りダッシュで近づいてくる。
さっきよりも僕への感知能力が若干上がっているのか分からないが、さっきよりも的確に急所へ打撃が飛んでくる。
僕は拳を受け流しながら悠仁の拳を躱していく。
さすが悠仁だ。近接戦闘は狗巻先輩にも引けを取らない……これなら真希さんからも一本取れるかも。
だけど……呪力の防御が出来てないね!
僕は悠仁の腹に呪力の込めた拳を入れる。
悠仁は後ろに吹っ飛び咳き込んでいる。
なにか、叫びたそうに口をパクパクとさせているので一度五感の遮断を解く。
「どうしたの?」
「Aも攻撃してくるとか聞いてねーよ!びっくりしたじゃねーか!」
「さっきも言ったけど、敵が攻撃してこない保証なんてないしこの空間では呪力の壁と膜を張らないと相手の攻撃を感知できないんだ。」
「それは知ってるけど……」
「打撃に呪力を乗せながら防御をするのは難しいかもしれないけど、それが出来ないと僕には一生勝てないよ。」
「……わかった!もう一回たのむ!」
僕は悠仁の五感をもう一度封じ、距離を取るが悠仁はすぐにその距離を詰めてくる。
やっぱり悠仁の感知能力は上がってきているのがわかる。
さっきと同じように悠仁の打撃が飛んでくる。
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時