第三十二話 ページ33
自室に帰り、布団に寝転ぶとすぐに寝てしまい、朝になってしまった。
携帯を見ると五条先生から数件着信が入っていた。
今日なんかあったっけ?
「あ、もしもし五条先生?何の用ですか?」
「あれ?言ってなかったっけ?今日一年生同士の顔合わせだよ?」
「……え?なにも聞いてないんですけど……」
「もう三人揃ってるからねぇ!早く原宿の駅前集合!」
そう言い、五条先生は通話を切った。
なんで、そういう大事な事言わないんだあの人は……
しかも、ここ東京郊外だぞ!?原宿まで何分かかると思ってんだよ!
僕は急いで制服の袖を通し、呪力で己の身体能力を活性化させ普段、三十分かかる所を十五分で着いた。
ほんと、この頑張り褒めて欲しい。
「やぁやぁ、遅かったねA!しっかり者の君が遅刻とは珍s……」
「今日の事伝えてないのはどこのどいつだよこのバカヤロー!」
五条先生が喋りきる前に渾身の右ストレートを顔にヒットさせる。
五条先生は数m後ろに吹っ飛びながら倒れる。
「ちょっと!遅刻しておいて、挨拶もなしなの!?」
「すみません……今日の件について聞いてなくて……一年の一条Aです。今日からよろしくお願いします……」
「……なんだ、マシなのいるじゃない……」
女の人がボソッとなにかいうが、飛ばしてきたからしんどくてあまり聞こえない。
「はい?なにか言いましたか?」
「なにもないわよ…私は釘崎野薔薇……よろしくね。貴方、髪もうちょい伸ばしたら?そっちの方が似合うと思うけど。」
「そ、そうですか?また考えときます。」
髪の毛長くしたら邪魔になるんだよなぁ……
まぁ、けど真希さんにもそっちの方が似合うって言われたし、一回伸ばしてみようかな……貴重な女性の意見だし……
「これからどっか行くんですか?」
「いてて。それじゃせっかく一年が四人揃ったんだ。しかも、その内二人はおのぼりさんときてる。
行くでしょ!東京観光」
その瞬間悠仁と釘崎さんの顔が一気に明るくなり、五条先生にどこに行きたいか必死に熱弁してる。
悠仁に限っては横浜を東京という始末……
「静まれ……それでは行き先を発表します。」
二人は跪き、こうべを垂れ五条先生の行き先を真剣に聞いている。
どうせ、東京のどっかの呪いが発生してる所に行くのに、あんなにウキウキしてたら可哀想になってくるな……
「六本木」
二人の顔はさらに明るくなり、キュンキュンさせている……
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作者名:ハクスイ | 作成日時:2019年7月2日 5時