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二十話　シゲページ23

ずっとリビングにいた俺はまっすーと小山さんが寝室に行ったことを確認し、時計を見ると１１時になっていた。意外と時間が経っていたこと、俺達はお昼をまだ食べていないことに気がついた。
流石に食べていないと自覚するとお腹も空いてくる。
小山さんの家は、冷蔵庫が大きめで家庭的でもあるので常に食材が沢山入っている。
手越にも何か食べさせないといけないので、お粥と俺らのお昼ご飯となる簡単なミートソースパスタを作ることにした。
準備を始めていると、小山さんとまっすーが戻ってくる。
○「おかえり。小山さん、ちょっとキッチンと材料借りてるね。」
手を止め二人を見ると穏やかな顔をしていた。
きっと、手越が少しは良くなったのだろう。
その二人の顔で俺も安心した。
□「あ、お昼まだだったね。ありがとう。」
小山さんは、そう言いキッチンの側にある色んなものが入った小さめの棚を漁っている。
▽「シゲ～、何作ってくれんの？」
まっすーは、キッチンの前にあるカウンターに肘を乗せて覗き込んでくる。
○「ミートソースパスタだよ。簡単だし、さっきスイーツ食べたし軽くでいいかなって思って。」
俺は、材料を切っていく。
まっすーに正面から見つめられて、少し緊張するんですけど…笑
▽「ん？そっちのお米は？」
俺の左を指すまっすー。
俺らのお昼はパスタなのに、コンロに置いてあるミニ土鍋にお米が入っているのを不思議に思ったのだろう。
俺は、手を動かしながら話す。
○「お粥だよ。手越用のね。」
そう言い、材料をすべて切り終わる。
□「あ、あった！良かった～。」
右斜め前の棚を漁っていた小山さんも丁度、探しものが見つかったみたい。
▽「あ、薬？」
まっすーは、カウンターから肘をどかして小山さんの方へ移動していった。
□「そう。流石にこれから熱が下がってくるとはいえ、薬を飲まないのは駄目だからね。」
その言葉にまた安心した俺。
熱は、上がりきったんだな。
(良かった…。)
すると、ドタンッ!と何かが落ちた音が寝室からした。