# 知りたくないわ ページ10
晴れ
今日は生憎天気がいい
全く、憎める
人はみないい天気だと言う
俺は全く分からないが
それと昨日、髪を青く染めたとラインが来た
驚いた
あれほど髪質を気にしていた人が、酔いに任せて青に染めてしまうのだから
空を見て思い出した
何かあったのか
分からない
「…保存しよ…」
密かに気になってはいた
彼の素性が
どこかまだ隠していそうで、やはり1人にはさせておけなかった
でも本人はそんなこと望んでいなさそうだった
気づくとカメラロールは君でいっぱいだった
好きで好きで好きでたまらなくて
依存していた
でも、俺にはわからなかった好きで仕方ないのに
どう愛せばいいのか
あの日、あのベランダで、あのタイミングで
キスなどをしてしまって良かったのか
大丈夫、大丈夫、結局なんとかなるし
全部自分のためになるし
「…綺麗…」
画面に触れてみた
駅前で愛を待った
他にすることもないし
ストーカーみたいだ
触れようと思えばいつだって触れて、壊せてしまうのに
笑ける
「…ははは…」
飼われた憂いも今や大人になって
大丈夫、いつだって僕は君の憂いだ
マイクに損して
噴水の前では喧嘩が
きっと眼鏡をかけた方が事勿れ主義
「知りたくなかった」
ひとりが呟いた
知らない知らない知らない
そんな顔もそんな涙も
僕も知らない
「……あ」
いつしか知った
彼は彼ではなく
彼は彼女でもあるということを
69人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:幻路 | 作成日時:2020年7月19日 11時