検索窓
今日:3 hit、昨日:5 hit、合計:33,631 hit

#どういうことですか ページ8

当然のごとく、SNSには多数の「大丈夫ですか」通知が来ていた



斉「A!」
『…ん?あ、おかえり壮馬』



息が詰まる


なんて言えばいいのか



目を腫らした彼に今、どう助言すればいいのか



『…僕…なにしてんだろ…?…ほんと…』
斉「…ばか…」



ただ、抱きしめてみた


冷たかった


人間とは思えなかった



『……ごめんね…』



こうして自分の生涯はクズらしく終わっていくのだろうか



超人気声優


なんてレッテルを貼られ



でも、それを望んでいたのに

どこか空っぽで仕方ない



斉「…もうこの部屋から出た方がいいよ」




部屋の床には散乱したエナジードリンクや


いつかの台本


服 食べた後のゴミ



締め切ったカーテン、とジメジメしていた



斉「…江口さん、外で待ってるから」
『…なんで…』
斉「飲もーってさ、気分転換に行ってきたら?ていうか、もうそろそろ外出ろ〜」
『…えっ、ちょっと…着替えてないから!』
斉「…A、痩せたね」
『…元々だし…』
斉「もう着れる服ないでしょ?どうせ。俺の着てもいいよ」
『ありがと』



綺麗な部屋


カーテンが開いていて、壊れかけの日光が注いでいた




ゴミが散らかっていることもなく、ましてやエナジードリンクの缶なんて



『(壮馬にも色々あるからな…)』
斉「なに?じっと部屋見られると恥ずかしいんだけど」
『ごめん、すぐ決める』


パッと取ったニットにズボン



壮馬が着れば可愛いのだろうけど



自分が着ても、特になんの意味も生産性もなく


ただ虚しいだけだった



それでも、少し、輝いて見えたら



『…喜んでもらえるかな』





斉「心配しなくても、好きな人の格好は、どんなものであっても綺麗に見えるんだよ」




お酒の缶を持ち、ニコッと笑ってみせた

# 欺瞞→←# 不糠



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (34 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
69人がお気に入り
設定タグ:男性声優 , 駒田航 , 伊東健人
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:幻路 | 作成日時:2020年7月19日 11時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。