# 夜しか ページ11
『…昨日はありがとうございました…本当に…』
江「いやいや、髪色気に入ってもらったみたいで、良かったよ」
これから軽々と死を語る
『…また今度お詫びさせてください…もう当分は飲まないようにします…』
江「うん、また誘うね」
『…ちょっと!!でも、本当にありがとうございました』
江「はーい、気をつけてね」
『…はい!』
消えないで
外を見上げればまだ起きていないようだった
終わり方が分からない
でもいつまで起きていれば良いのだろうか
このまま80歳になるか?53歳になるか?
そんなの耐えられない
忘れてしまいそうで
失いそうで
今にでも落ちたい
分かる分かる、分かるんだ
君の言いたいこと
君が感じて欲しいこと
ギターはなぜ光るのか、ステージに立つとどうも気が滅入る
でもまだ、死にたくはないんだよな
分かるぞ、わかる
毎晩どうしようも無い衝動にかられて涙を流すのも
感傷に浸りたいのも
たまにはいいだろう?
ネットの簡易な診断を受けて、自分がわからなくなっていく
その気持ち
必死にイヤホンをして塞ぐ、その快感
でも、共感されると、どうか
同情するなと言う
人間とは実にめんどくさいな
誰かに頼らないと生きてけないんだ
「すぐに死にたいなんて言うな」
「こっちは死ぬ気で産んでる」
「死んだ後のことを考えろ」
「死んでもいいが、残された人のことを考えろ」
なんて言葉捨てろ
聞く耳を立てるな
したいことをしろ
音楽を聞け
私からはそんなことしか言えない
実体験で申し訳ないが、今回ばかりは許して欲しい
妄想でもいいんだ、考えてあげるから
どうか楽しい終わりを待っていて欲しい
乾いた笑いしかでなかった
ただ笑うしか無かった
それでもまだ生きているという
矛盾
69人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:幻路 | 作成日時:2020年7月19日 11時