# 赤い ページ1
『江口さん、起きてください』
冷たい机が、足を刺激する
クーラーの効いた部屋、尚後輩が家に来ている
にもかかわらず、おれは恥もなく酒缶をそのままにして、髪をぐしゃぐしゃにして眠っている
江「…やーだー…むり…」
斉「珍しいね？拓也さんがここまで酔うの」
花「僕もそこまで酔ってないのに」
梅「確かに」
『御三方、明日朝早いよね…？この後は僕なんとかするから…』
斉「じゃあ…」
花「お言葉に甘えて…」
梅「なんか面白いことあったら写真送って笑」
『笑い事じゃないって！！』
斉「じゃ！頑張って！」
皆がいなくなって、俺とAだけになる
江「…A〜…はやくぅ…」
『…はいはい…なんですか？今缶片付けるので、ちょっと待っててください』
江「ちぇー…けち…」
『…そんな、飲んでないはずなんだけど…』
江「ねぇー！！ちょっとでいいから、こっちきてよ…」
『…ちょっとですからね』
近づいてくる足音
少し目を開けてみると、ソファにAが座っていた
『来ましたよ』
江「ぎゅーってして」
『……』
そっとよってきて、俺の首に手を回す
シャンプーのいい香り
俺のと違う匂い
江「俺の事嫌い…？」
『なわけないでしょ？』
江「しょうめいして…」
『へ？』
江「俺が好きだって言う…証明…」
ぐっと力をいれ、ソファに押し倒す
『やっぱり…酔っ払ってなかったんですね…』
江「まぁ…晴れて2人っきりになったんだし…好き勝手していいよね」
『…だめです…僕明日も仕ご…』
江「…ん」
熱い頬
期待してたんだ
絶対にこうなること分かってたんだ
江「えっちぃ…」
『やっ…江口さん…』
江「江口さん…？いつからそんな呼び方だっけ？」
『だって…みんながいる時は…恥ずかしいじゃないですか…』
江「んふふ…可愛い…」
再び口を近づける
一生懸命目をつぶり
苦しそうで、それに抗おうとしているが
その手は俺の手によって遮られた
『やっ…息できな…い！…ちっ…た…さん…』
貪るのに必死になって
甘すぎて
江「へへっ…もうべろべろじゃん？」
『今日は、かなり飲んだんで…』
江「まだまだ…いけるよね…？」
『えっ…ちょっと！最後までする気ですか…？！無理です！明日仕事なんですよ！しかもずっと立ちっぱなしなんで！今日は本当に勘弁して…』
懇願するが、俺は手を止めない
江「ならちょっとは抵抗しなよ…」
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作者名：幻路 | 作成日時：2020年7月19日 11時
