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那「さっそくきたか......」
一緒に携帯を覗き込んだなっちゃんが、文面を見てそうつぶやく。
話だけを聞くと、ちょっと怖い人。
......だけど、吉野くんのことを色々知った上で、人柄は判断したい。
だって、友達だから。
ちらっとなっちゃんの顔色を伺うと、なっちゃんは私の気持ちを汲み取ってくれたのか、ため息をついて、それからにっこり笑った。
那「まぁ、しょうがない！気をつけて行ってくるんだよ？くれぐれも襲われたりしないように！！」
『うんっ！』
言葉の後半の意味はよくわからなかったけど、了承を得られた私は嬉しくなって大きく頷く。
那「はぁ......。Aは天然だから、余計に危ないんだよね」
『え？私天然じゃないよ？』
那「ほらほら」
なぜだか、やれやれと言った感じでなっちゃんは肩を竦めた。
だけどすぐに、子供を注意する先生みたいな厳しい顔に表情を切り替えるなっちゃん。
那「それより、ぜったい暗くなる前に別れること。なにかあったらすぐ電話して！それから、近くの交番の場所はちゃんと把握して、それで.......」
注意が止まらなくなってしまいそうななっちゃんの手をそっと握る。
『ふふっ、大丈夫だよ。なにかあったらすぐ連絡するから。』
那「まぁ、Aがそう言うなら........」
そう言いながらも、まだどこか不安げななっちゃん。
こんなことを思ってしまうのは不謹慎かもしれないけど、なっちゃんが心配してくれることが嬉しくもあるんだ。
この高校には私の出身中学校から来た人はほとんどいない。もちろん、このクラスに同じ中学の人はいないわけで。
だからこそ、2週間遅れの入学で友達ができるか、入院してる頃からずっと不安だった。
だけど、休み時間になっちゃんが、「私、あなたと友達になりたい！」って声をかけてくれて、そんな不安なことはあっという間に払拭されたの。
だからね、感謝してもしきれないくらいなっちゃんには感謝してる。
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『なっちゃん、大好きっ！！』
那「わっ！」
私は携帯を握りしめ、なっちゃんに勢いよく抱きついた。
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作者名：MINT | 作成日時：2020年2月15日 1時
