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モヤモヤと考え込む私のことなんてスルーして、なっちゃんは説明を始めた。
那「じゃあさっそく。吉野北人くんは、1年5組。入学早々この学校一のイケメンって呼ばれるようになったくらいのモテ男。なんかファンクラブみたいなのもあるらしくって、私が知ってるだけでも20人くらいから告白されてるみたい」
『に、20人!?』
まだ入学してから2週間だけど、実際、今日だって告白されてたんだもんね.....。
しかもあんな可愛い子に。
那「でも、何故か今のところ告白は全部断ってるみたいなんだよね」
『そうなんだ......』
なんだか、想像以上にすごい人とお友達になっちゃったんだなぁ、私。
那「あ、でもね、悪い噂もあって、、」
悪い噂?
首を傾げた私に、ずいっと顔を近づけたなっちゃんが眉間に皺を寄せて言った。
那「中学の頃は、女遊びが激しかったんだって。不特定多数の女の子をたぶらかしてたらしいよ?」
『そ、そうなの.....?』
周りに聞こえないような小声で明かされた話に、なぜか言いようのないもやもやが心を覆う。
那「いきなりパタリと女遊びしなくなったらしいけど、それでもやっぱりモテモテだから、女の子には困ってないんだろうね」
吉野くん.........。
今日会ったばっかりで、彼のことはよく知らない。
だけど、そんな悪い人には見えなかったのに.....。
そのとき、ピロロン♪ と携帯の着信音が鳴った。
ポケットから携帯を取り出し、ディスプレイを見ると【吉野北人】の文字。
吉野くんだ.....。
さっきのなっちゃんの話が頭をよぎり、おそるおそるメールを開く。
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【放課後、遊びに行かない?】
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作者名:MINT | 作成日時:2020年2月15日 1時