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名前を呼ばれて、お弁当を片付け始めた時、スっと伸びてきたなっちゃんの手に、きゅっと手首を掴まれた。
那「..........A、行かない方がいいよ」
なっちゃん.....？
いつもとは違う真剣ななっちゃんの表情に、思わずお弁当を片付けていた手が止まる。
『どうしたの....？』
那「あの人、なんか怖いよ」
怖い.....？
私には美人な女の人にしか見えないけど.....。でも、心配してくれてるなら、安心させてあげないと。
『大丈夫だよ。話聞いてくるだけだから』
そう微笑みかけると、なっちゃんはまだ不安げな表情を残したまま、私の手をつかんでいた手をそっと離した。
那「Aがそう言うなら...。でも、なにかあったらすぐ帰ってくるんだよ？」
『うん！ありがと！』
私はお弁当をしまい、教室の入口へと駆けていった。
『お待たせして、ごめんなさい！』
「あぁ、大丈夫よ」
そう言って笑みを浮かべる女の人は、近くで見るとさらに綺麗。だけど、化粧が濃く、鼻をつく香水の香りもきついせいか、派手な印象も受ける。
ふと、女の人の胸のリボンが目に入った。
この学校は学年によって、男子はネクタイ、女子はリボンの色が違うんだ。
私たち1年生は赤色のネクタイとリボン。目の前にいる女の人は、青色のリボンだった。
ということは、二年生の先輩だ！先輩だなんて、なんだか緊張しちゃう.......！
『あの、私に用っていうのは...？』
「ここじゃ話しづらいことだから、場所を変えましょう」
『は、はい！』
初対面の私に、話ってなんだろう...？
ちょっと不安になりながらも首を捻っていると、いつの間にか体育館の裏に来ていた。
あれ？いつの間にかこんなとこまで来ちゃった。ここってあんまり人通らないし、ちょっと怖いんだよなぁ。
そんなことを考えていると、前を歩いていた先輩が足を止めて、腕を組んでこちらに背を向けたまま、先輩がそれまでの静寂を切り裂いた。
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「北人ってね、誰とでも遊ぶような男なのよ？」
『え........？』
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作者名：MINT | 作成日時：2020年2月15日 1時
