俺のこと、好きになって。【吉野北人】 (ページ22)

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次の日の昼休み。

なっちゃんと机を合わせてお弁当を食べていると

那「そういえば、昨日の吉野くんとのデートどうだったの？」

突然のなっちゃんの言葉に食べてた卵焼きを吹きだしそうになっちゃったよ！あぶないあぶない！

'' デート '' って響きは、何度聞いても慣れないみたい.....。

那「なに、赤くなっちゃって！もしかして、襲われたの！？」

『ち、ちがうよっ！』

お箸を握りしめ、慌てて顔をぶんぶん横にふって否定する。

『だけど、からかわれちゃった』

那「え？からかわれた？」

『うん。｢それ以上煽ったら、襲うよ｣って....。さすがプレイボーイって感じだよね』

そう言ってヘラヘラ笑っていると、なっちゃんがすごい勢いでため息をつき、肩をすくめた。

那「はぁー、ほんと分かってない。Aは！」

『え？』

那「それね、吉野くん、Aのこと狙ってるよ絶対！」

『ね、ね、ねらってる？』

私に限ってそんなはずないよ......。

だって、今朝見たんだ。登校する吉野くんの周りを取り囲んでる、大勢の女子たちを。

みんな美人で、可愛くて、私なんかその輪に近づくことさえできないくらい、別次元みたいにみんなキラキラしてた。

私は、吉野くんと友達になれただけでも、感謝しなきゃいけないっていうのに。

そう考えながらお弁当を食べ終わる。

那「ま、これからが楽しみ！」

そう言ってニヤニヤと意味深に笑うなっちゃん。

楽しみって、なにが？

ハテナマークを頭に浮かべ、私は首を傾げた。

と、そのとき。

「飛鳥Aさんっている？」

突然、自分の名前が耳に飛び込んできた。

その声がした方に目を向けると、教室のドアのところに綺麗な女の人が立っていた。

あの人が呼んだに違いない。

わわ！あんな綺麗な人が、私なんかになんの用だろう？

不思議に思うけど、呼ばれてるんだから早く行かなきゃ！

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『こ、ここにいますっ！』

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