41話 ページ43
そして月日は経ち、ついに体育祭前日となった。
この日のために入念に準備と練習を積み重ね、明日ついに本番が始まるのだ。
この数週間のうちに先生に色々と抗議をし、ついに私は夏の体操服の下に黒の長袖を着ることが許された。
ズボンも短パンのため黒タイツを着用。
しかも競技の時以外は基本日陰にいて、常に水分が補給できる状態でと言う好条件付き。
これで私以外の紫外線アレルギーの人たちも報われたであろう。
体育祭準備後、光くんと共に女子トイレへ向かう。
「 先輩、結局今年の種目は借り物競争にしたんですか？
それとも別のにしたんすか？」
「 借り物競争にしたよ！
リレーにも誘われたんだけど断ったんだー！」
「 じゃ、俺と同じっすね！
まあ、団は違えど同じ種目同士がんばりましょ！」
彼との会話で察すると思うが、私たちは団が違うため敵同士なのだ。
ちなみに私は黄色で光くんが赤。
今年の青団は源先輩がいるため、女性で溢れかえるだろうから青じゃなくてよかったと心底思った。
「 あのね、光くん…ちょっといい？」
「 どうしたんですか？」
「 いや、実はさ… 」
少し言いにくそうにもぞもぞしながら彼の顔を伺い、うぅ…と小さく唸り声を上げつつ言葉を発した。
「 私ね、応援団になっちゃったの… 」
「 え、応援団っすか？
いいじゃないですか、かっこよくて！」
「 いや、今年の黄団の衣装気合い入っててさ…
うん、私には到底似合わないような服で困ってるんだよね… 」
苦笑いを零しながら応援団の衣装を思い出す度にため息を零す。
衣装はどんなのかと聞かれたがそれは本番までのお楽しみと言ったところでトイレに着いた。
「 花子くん、明日体育祭だから今日は軽く話したらすぐ帰るね？」
「 来たと思ったらすぐに帰っちゃうのー？
最近トイレ掃除全然来ないし、いつ見ても忙しそうだったし
俺だって寂しいんだからね？」
ひょこっと1番奥のトイレから顔を出したと思いきやふわふわとこちらに寄り、私の髪の毛をいじりながらそう答えた。
いつもはおちゃらけてて私の事をいじって何も思ってないような素振りを見せるのにこういう時に限ってこんなことして来るからとても狡い。
高鳴る鼓動をなんとか抑えようと胸に手を当て、大きく深呼吸をした。
光くんは、先輩に触るな！と花子くんに噛み付くがひょいひょいと簡単に避けられてしまうので、最早ただの戯れのようだった。
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます！ (2020年8月21日 18時) (
レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです！更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：人参ぱんつ | 作成日時：2020年4月22日 1時
