39話 ページ41
「 今年の種目はどうしようかな…
光くんは何に出るの?」
「 俺っすか?
んー、あんま考えたことないんすけど今年は借り物競争にでも出ようかと思ってます!」
「 なるほど、確かにそれだと得手不得手ないかもしれない… 」
ふむと顎に手を添え、今年の体育祭の種目について考える。
寧々ちゃんはパン食い競走でアオちゃんは障害物競走とか言ってた気がする。
借り物競走いいかもね…、お題に悩む心配そんなになさそうだし、でも大縄跳びも捨て難い…。
1人悶々と考え事をしていると花子くんが私の隣に来て、ヤスミ玉入れとかはしないの?と聞いてきた。
「 目に直接紫外線なんて浴びたら何も見えなくなって倒れちゃうよ、1年の時それで玉入れ中断になっちゃったし 」
「 うへぇ、大変そうだね 」
「 大変だよー、代わってほしいくらい!」
「 じゃあ体育祭なんて休んでさ、俺とココに居ればいいじゃん 」
にひっといたずらっ子の様な笑みを浮かべながら言う花子くんに光くんと私は狼狽えた。
がすぐに気持ちを切り替えて花子くんの頭にチョップを決めながら、それは無理と答えた。
だよねーっといつもの顔で笑うため、反省してないなと半分呆れつつ、夕焼け放送が聞こえてきたため光くんと途中まで一緒に帰ることにした。
最後に見た花子くんの顔は懐かしそうな悲しげな顔をしていた気がした。
「 じゃあ私あっちだから 」
「 家まで送ります、A先輩女の子なんすから、こんな時間に1人になっちゃダメっすよ 」
あまり女慣れしてなさそうな彼からこんな言葉が出るとは思ってなく、ポカンとした顔で彼を見つめた。
私の反応によく分かっていないような表情を見せたが、すぐに理解したようでわたわたしながら、変な意味じゃなくって、その…!としどろもどろになりながら説明をし始めたので、笑いながら家まで送ってもらうことにした。
「 やっぱり光くんって女慣れしてないよね
私に慣れとかないと寧々ちゃんに告白するのもいつになることやら!」
ヘラヘラと笑いながら青になった信号を確認し、1歩足を踏み出したその時、赤信号にも関わらず車が思いきり私の方に突っ込んでこようとしていた。
運転手は見る限り眠っていて、結構なスピードでこちらに向かっている。
いつぞやのアオちゃんの時みたいに咄嗟に体が動けばいいが、中々動けずただじっと向かってくる車を見つめていた。
光くんのこと、助けなきゃなのに…なんで動けないの…?
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人参ぱんつ(プロフ) - yamiさん» お返事遅くなってしまい申し訳ありません、とても嬉しいお言葉ありがとうございます、頑張らせていただきます! (2020年8月21日 18時) (レス) id: a7aebfbb6e (このIDを非表示/違反報告)
yami - 凄く面白いです!更新頑張って下さい。 (2020年7月28日 12時) (レス) id: 0abcc7321c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:人参ぱんつ | 作成日時:2020年4月22日 1時