私は師匠と居られない【HUNTER × HUNTER】

ずるくて正しい君は ページ9

「ドキドキ…」
「…ドキドキ？」
「ドキドキ二択クイ〜〜ズ！！！」



少女達は船長に別れを告げ、一本杉目指し出発した。そんな中不可解な集団と遭遇する事になる。その正体はハンター試験の試験官であった。
ドキドキ二択クイズ。1問5秒以内二択で答える単純なクイズ。しかしその内容はひねくれたものだった。

「ふざけんじゃねえ！！こんなクイズがあるか！」

母親か恋人、助けられるのはどちらか一人。出題された男は母親と答え先に通ることを許された。レオリオは当然憤ったが、クラピカは何かに気づいたようだ。

「待て、レオリオ！このクイズは…」
「待ちな！これ以上のお喋りは許さないよ！！！」

クラピカがレオリオに伝える前に老婆から口をつぐまされる。

「…それじゃ問題だ。息子と娘が誘拐された。娘、息子、どちらを取り戻す？」

＊

「実際に選ばなきゃいけない時が来たら…どうする？」

答えは沈黙。見事突破したゴン一行は正解の道を進んだ。そんな中ゴンから投げられた質問にクラピカとレオリオは沈黙する。そんな中少女が口を開いた。

「状況による」
「それはズルいよ！」
「ズルくないよ」
「じゃあ俺とクラピカとレオリオのうち1人しか助けられなかったらAはどうするのさ！」
「状況による」

少女の答えにムーっと顔を膨らませるゴン。そんな二人をやれやれといったふうにクラピカとレオリオは眺めていた。

「だって、そうだろ。もしかしたらゴンが既に死にかけの状態かもしれないし、レオリオがそんな選ばざるを得ない状況を作った元凶かもしれない、クラピカが私の友達を殺したって状況もあるかも……」
「もしそうなったら私はみんな見捨てるかもしれないし、そうなってもみんな助けようと思うかもしれない」
「状況によるってそんな事だよ」

少女の言葉に納得のいかないゴンはいつまで頬を膨らませていた。まあ、ゴンには納得出来ないだろうなと少女は鼻で息をつく。

他人事には出来ない重要な選択。一年後二年後、いや、もしかしたら明日かもしれない。少女にも必ず来る。その時、果たして状況を把握出来る時間はあるのか、


友達か恋人か
友達か友達か
友達か家族か
家族か恩師か



友達か恩師か


少女はまだ知らない

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