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「ちょ、いいからホントに!下ろしてください師匠…!」
赤子が反る様に師の腕から逃れようとする少女。師は『まあまあ落ち着きなさい』とでも言いたい様に、ぽんぽんと少女の腰を叩いた。
「〜〜っ!もう!こんな事するくらいなら足折らないでくださいよ!」
ぶーぶーと文句を言う少女に師は肩をピクりと動かす。
「で、なんて書いてあるんですか。私にも教えてください。」
少女は手のひらを差し出し、師の返答を待つ。師は少し待ってから手のひらに文字を書き出した。
(…あれ?)
(師匠の爪ってもっと尖ってたような?)
違和感のある指で『一人に1つのお題』とどこか素っ気なく書かれる。
「それをクリアするんですね。お題ってのは何処にあるんですか?」
少女が問うと師はそそくさとどこかに移動する。抱えられている少女もそのまま移動しているのだが、なんだか態度が妙に素っ気ない。
(喋れないってのもあるからかな?それにしても冷たい気がするけど。またいつもの気まぐれ?)
そう考えても真っ暗の視界では考えられる事にもすぐ限界がくる。少女は大人しく抱えられることにした。
*
「よく来たな。目の見えない者も居るようだし、ここからはアナウンスで解説してやろう」
「最初っからそうしろよ…」
しばらく歩いて、唐突に音が鳴り少女は内心驚いた。気を落ち着かせて周りに気を配ると大勢の呼吸が壁越しに感じられる。何となく察しがつく様なお題だ。
「簡単な事だ、ここに居る囚人達を全員倒して貰う。囚人達は君達を倒すことで50年刑期が短縮される。そのため大変躍起になって襲いかかってくるだろう。」
「但し、目の見えない406番。君が手出しをしてはいけない。これは喋れない彼のお題だ。」
「勿論406番を弾除けとして使うのもアウト。即失格とする。406番を無傷でクリアしてみせろ。以上だ。」
ブーっとブザーの音が鳴り、扉が開く。下卑た笑い声が至る所から聞こえてくる。なんというか、さきが読める展開だ。
「餓鬼のお守りをしながら俺達の相手かァ!?大変だな兄ちゃんよォ!!」
「ゲヘヘ!!餓鬼とはいえ上玉じゃねえか!殺した後でしゃぶり尽くしてやるぜ!!」
「……わっかりやすい荒くれ達だな。」
思わず本音が漏れる。少女の言葉に囚人の一人が反応した。
「なんだぁ!?舐めてんじゃねぇぞ!が、キキキキキ、が、ぁ、あァァア??、あ?」
………その後の事は言うまでもない。
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かぴばら2(プロフ) - クロムさん» 遂にバレた!!!そうです!DINARです!!初めて見た時にすげぇー!!やらせてぇ!!と思って衝動的に書いてしまいました…。今見るとすごく拙くてツッコミどころが満載なのでいつか書き直したいと思ってます…。コメントありがとうございます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - スカルジャック? (2021年4月29日 9時) (レス) id: 11c6fe3903 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - ピポ助さん» ひぃ…コメント今気づきました遅くなって申し訳ないです! やっぱりイルミは病んでないと始まりませんね!これからも頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメント失礼します!イルミのヤンデレ具合が最高に好きです…!これからも頑張ってください!! (2019年9月3日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 名無しさん» 大変永らくお待たせしました!またふらっとふわっと消えてしまうかも知れませんが、どうか御容赦願います。暫くは更新し続けたいと思っています! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2018年6月6日 23時