キミはいつだって瑞々しい ページ17
「霧が更に濃くなってきたな…」
「ゴン、A、もっと前に行こう。」
「うん、試験官を見失うといけないもんね」
「違う、あの人から離れた方がいい。」
「あの人?」
「ヒソカだろ。あいつ、殺しをしたくてウズウズしてるから。霧に乗じてかなり殺るぜ。」
「……俺も同類だから、こういうのは臭いでわかるんだ。」
「同類?そんな風にはみえないよ。」
「それは俺が猫被ってるからだよ。そのうちわかるさ」
「ふうん… レオリオー!!クラピカー!!キルアが前に来た方が良いってさ!!!」
「……緊張感の無い奴だな。もー」
思わずずっこけそうになるキルアを見て、少女はケタケタ笑う。
「笑うなよ。」
「あはは、ごめんごめん。でも、ああいう所がゴンのいい所なんだよ。キルアもそう思わない?」
「思わないね。あいつきっとあの性格でいつか痛い目みるぜ。」
「それはー…まあ、ウン。でもゴンはきっと痛い目見ても懲りないよ」
「…そうだろうな」
「あぁ、あとキルアはあの人と同類ってさっき言ってたよな。」
「?ああ。」
「全っ然、一緒じゃないよ。」
「それは俺が猫被ってるからってさっき…」
「キルア」
少女の纏う雰囲気がガラリと変わる。自身の兄のような闇の深さを感じずとも、キルアはぞくりと鳥肌を立てた。
「キルアの本質はあんな得体の知れないものじゃない。絶対そうだよ」
少女の眼が、しっかりとキルアの青い瞳を見据える。少女の瞳は黄色いビー玉をお日様に透かしたように綺麗だった。
「っ。意味わかんねーよ」
キルアはその眼からそっと逃げた。
*
「…気配がどんどん減ってる」
「湿原の生き物が減らしてるか、…あいつが動き出したかだな。」
「………」
「ゴン!ボケっとすんなよ。人の心配してる場合じゃないぜ。見ろよこの霧、1度はぐれたらアウトだ」
「うん。…わかっ」
『ってぇーー!!!』
「!! レオリオ!」
「ゴン!」
キルアの制止を聞かず、レオリオ達の元へ引き返していくゴン。
「ッたっく!ほらみろ!言ったそばから!!」
キルアは少し悔しそうに怒る。少女はゴンが行った方向をじっと見て、次第にスピードを落としていった。
「…キルア、わるい」
「なっ まさかお前も行くつもりじゃないだろうな」
「そのまさか。ごめん、先行ってて」
絶対もどるからー! と言って霧に消えてゆく少女。
「あーっ!もう!!!ほんとバカなやつらだよ!」
キルアはぎり、と唇を噛み締めながら前を向いて走った。
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かぴばら2(プロフ) - クロムさん» 遂にバレた!!!そうです!DINARです!!初めて見た時にすげぇー!!やらせてぇ!!と思って衝動的に書いてしまいました…。今見るとすごく拙くてツッコミどころが満載なのでいつか書き直したいと思ってます…。コメントありがとうございます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - スカルジャック? (2021年4月29日 9時) (レス) id: 11c6fe3903 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - ピポ助さん» ひぃ…コメント今気づきました遅くなって申し訳ないです! やっぱりイルミは病んでないと始まりませんね!これからも頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメント失礼します!イルミのヤンデレ具合が最高に好きです…!これからも頑張ってください!! (2019年9月3日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 名無しさん» 大変永らくお待たせしました!またふらっとふわっと消えてしまうかも知れませんが、どうか御容赦願います。暫くは更新し続けたいと思っています! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2018年6月6日 23時