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「いやーァ何年ぶりかね!うちら夫婦を見分けた人間は!うれしいねえ」
「…声と顔の違い、わかるか?」
「いや…全く」
「ゴン特有の謎の野生児スキルだな」
ナビゲーターは魔獣に襲われていたのではなく、魔獣…もといキリコがナビゲーターであった。
「博学を持ってヒントを見逃さず、私達が夫婦でないと見破ったクラピカ殿」
「レオリオ殿は最後まで私の正体に気づかなかったが、キズの応急処置は医者以上に早くて的確。そしてなにより怪我をし妻の身を案じるフリをしていた私をずっと励ましてくれていた。」
「それだけがレオリオの美徳だからな」
「それだけってなんだよ!」
「うむ…そして人間離れした運動能力、観察力を持つゴン殿。」
「そして初めから全てお見通しであったA殿」
「…お見通し? …そうか。だからAは1番無防備になるレオリオの傍に着いていたのか。」
「レオリオ殿が私を手当している間、一瞬たりとも周囲への警戒を怠らなかった。もちろん、怪我をしている私に対しても。」
「ナビゲーターだからといって手を出してこない確証もないし。実際そこの息子さんは私を試すつもりで最後に襲いかかった」
「あァ。結果は惨敗だったけどな。ヒヤリとしたぜ。」
「殺す気は微塵もなかったよ」
敵じゃない事はちゃんとわかってたからね、と笑う少女。実際に目の当たりにしたレオリオは乾いた笑いしか出てこなかった。
「お前ホントにただもんじゃねえな」
「ここに居る皆ただものじゃないよ。そういうことでしょ?」
「あァ。ここに居る4人、全員俺達が責任もって会場まで案内するぜ!」
この夜少女達は飛んだ。えらく奇妙な生き物にぶら下がって。少女は柄にもなくワクワクしていた。このハンター試験で誰と出会い何を学ぶか。
「Aの師匠は去年のハンター試験に受けたんだよね?」
「うん。師匠の実力なら絶対に合格してるだろうし、今年会うことは無いだろうけどね」
「Aの師匠かあ きっとすっごく強いんだろうなあ」
「いつか会えるんじゃないかな。きっとゴンみたいなタイプは気に入られると思うよ」
少女のその言葉にキラキラと目を輝かせるゴン。そんな表情に少女の良心はチクチクと痛むが、嘘は言ってない。
(師匠はきっとゴンを気に入る。そしてゴンも師匠との出会いでぐんと成長する)
(もし、もしもゴンが師匠に気に入られなかったら……その時は…)
(……その時は…)
少女の表情は月の光で影になり、誰にも見られることは無かった。
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かぴばら2(プロフ) - クロムさん» 遂にバレた!!!そうです!DINARです!!初めて見た時にすげぇー!!やらせてぇ!!と思って衝動的に書いてしまいました…。今見るとすごく拙くてツッコミどころが満載なのでいつか書き直したいと思ってます…。コメントありがとうございます! (2021年4月29日 20時) (レス) id: a02d4950c9 (このIDを非表示/違反報告)
クロム(プロフ) - スカルジャック? (2021年4月29日 9時) (レス) id: 11c6fe3903 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - ピポ助さん» ひぃ…コメント今気づきました遅くなって申し訳ないです! やっぱりイルミは病んでないと始まりませんね!これからも頑張ります! (2019年9月11日 21時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
ピポ助(プロフ) - コメント失礼します!イルミのヤンデレ具合が最高に好きです…!これからも頑張ってください!! (2019年9月3日 1時) (レス) id: 4111e46406 (このIDを非表示/違反報告)
かぴばら(プロフ) - 名無しさん» 大変永らくお待たせしました!またふらっとふわっと消えてしまうかも知れませんが、どうか御容赦願います。暫くは更新し続けたいと思っています! (2019年7月5日 1時) (レス) id: 90b4b3f2c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:かぴばら x他1人 | 作成日時:2018年6月6日 23時