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『相変わらず寒いね』
「まだ3月だもん」
『あはは、確かに。』
万次郎のバイクに乗りながら話す。
「今日、東卍の奴らでタコパするけど来る?」
『何その男臭そうな集まり』
「酷くね?高校卒業した奴らもいるから祝いも兼ねて遊ぶだけなんだけど」
『じゃあ行くよ。なんか面白そうだし』
何より、暴走族がたこ焼きを焼くってのが面白い。
数十分バイクを走らせた後に、着いたのは一軒家だった。
バイクから降りて向かったのは、その一軒家とは少し離れた倉庫だった。
「ここ元々俺の部屋だったとこ」
「おーマイキーやっと来たか」
と中からケンチンが顔を覗かせた。
「ケンチンもう来てたんだ」
もうみんな来てんぞ、と言われ中に入ると数人が万次郎の元部屋で騒いでいた。
万次郎曰く、隊長・副隊長しか居ないらしい。
確かに何十人何百人とどこかで集まってタコパなんてされたら困る。
『あ、タカちゃんいる』
「Aはすぐ三ツ谷に絡みに行かない」
と、万次郎が頬を膨らませた。
『あはは、なんか三ツ谷って面白いじゃん?眉毛途切れてるし不良の癖に学校ちゃんと来てたし家庭科めっちゃ出来るしで中学ん時めっちゃ笑ってた』
「お前、クラス同じになった時調理実習とか裁縫の時俺の事見てずっとゲラゲラ笑ってたもんな、ほかの女子らと」
『不良が料理して裁縫してんのって面白くない?』
「なんも面白くねぇよ」
「ま、ヤンキーが妹の面倒見てたり裁縫めっちゃ出来るのは意外だよな」
俺らの特攻服は三ツ谷が作ってたしな、とケンチンが教えてくれた。
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作者名:もあ | 作成日時:2021年6月9日 12時