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「お子様セットに旗がついてない!!」
と、わたしのバイト先であるファミレスにいる万次郎とケンチン。
旗がついてないだけで、こんな駄々をこねる18歳をわたしは見た事がない。
『アンタねぇ、!人のバイト先に上がり込んどいて騒ぐのやめてくれる?うちの店は旗がついてないの!』
「俺は旗を楽しみにお子様セットを食べてんの!こんなのお子様セットじゃない!」
もう要らない、と文句を言う万次郎に堪忍袋の緒がキレそうになった。
「マイキー、ほら旗だぞ〜」
と、旗を取りだしお子様セットにさす。
その瞬間万次郎の、目が輝きさっすがケンチン〜!と喜んだ。
「わりぃな、Aちゃん。こいつは何とかしとくからバイト続けてくれ。」
なんで、わたしのバイト先にこの2人がいるかと言うと、学校から抜けたあとの話になる。
学校から抜けた後は公園で少し2人に説教をしたら、あっという間にバイトの時間になった。
『バイトの時間だわ。じゃ行ってくる。』
「A〜、遊ぼうって言ったじゃん〜」
『わたしは万次郎と違って暇じゃないの。』
「じゃあ付いてく。」
『は?』
万次郎の付いてく、の一言でこんなことになってしまった。
旗がついたことで、大人しくなった万次郎を見て、わたしは立ち位置に戻る。
「あのお客さん、Aさんの知り合い?」
と、マネージャーに言われる。
『まぁそんなとこっす。』
「元気な子たちだね〜」
『すみません、ちょっとうるさいですよね。』
「今の時間は全然客居ないし、あれくらいなら大丈夫だよ〜」
と笑ってくれた。
「あーもう!いい加減にしろよ!」
とケンチンが急に怒鳴り、机を叩いた。
何事と思い、すぐに席に向かった。
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作者名:もあ | 作成日時:2021年6月9日 12時