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｢あ、初めまして、お電話させていただいたAと申します。｣
ペコッと頭を下げて顔を見る。
思わず口を開けてしまった。
イケメンすぎる。
セットされた黒髪、整った目鼻立ち、柔らかな印象のイケメン。
ｼﾞｽ｢はーい、よく来てくれました。
じゃあここで軽く30秒で面接していいかな｣
｢いいですよ。｣
ここで？と思ったけど口には出さないでおく。
ｼﾞｽ｢ベビーシッターの歴は？｣
｢ないですね。｣
ｼﾞｽ｢じゃあ前までの仕事は？｣
｢保育士やってました。｣
ｼﾞｽ｢子供はすき？｣
｢勿論。｣
ｼﾞｽ｢家事はできる？｣
｢えぇ、人並みには｣
ｼﾞｽ｢OK、採用です。中へどうぞ｣
｢はぁ、ありがとうございます｣
なんだったんだろ。
面接内容は極めて正当なんだけど何故ここで？
まぁ、高級住宅街だし、お金持ちだし、庶民を家に軽々しく入れちゃまずいのかな。
｢お邪魔します｣
そう言ってお気に入りの白いパンプスを揃えて玄関の端に置く。
羽織っていたコートは脱いで腕にかける。
すると、ジスさんがそのコートを何も言わず私と手から取り、近くのコート掛けに掛けた。
紳士的……なんとも紳士的。
｢ありがとうございます。｣
ｼﾞｽ｢いえいえ。
子供部屋はこちらになります。｣
階段を登った先らしい。
｢子供達は何人ほどいらっしゃいますか？｣
ｼﾞｽ｢12人います。｣
｢……へぁ？！｣
多すぎてびっくりした。
ｼﾞｽ｢1歳の子が1人、2歳の子が2人、3歳の子が3人、4歳の子が4人、５歳の子が二人います。
なんか年齢に比例してる気がする。
ｼﾞｽ｢多いでしょう。まぁ、ここは小さな施設ですから、そう考えれば少ないんですけどね｣
｢施設？？なんですか？｣
ｼﾞｽ｢はい、本人達には伝えてませんが、あの子たちは孤児です。｣
｢そう、ですか……｣
なのにベビーシッター？
ｼﾞｽ｢孤児院と書くと、やりたがらない人が多いんです。あなたが来てくれて良かった。｣
ん？もしかして私はめられた？
ベビーシッターって書いといて、本当は孤児院で働く体ですか？！
ｼﾞｽ｢はい、着きましたよ｣
着いたのは私の部屋らしき空き部屋。
｢うわ｣
天井にはシャンデリア、床には白いソファー、
白い作業用机、白い椅子、白いクローゼット、白いふわふわのカーペットに白いベッド。
全てが白で統一された、夢のような空間があった。
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作者名：wzcl | 作成日時：2021年9月7日 7時
