4. ページ4
｢これ、｣
ｼﾞｽ｢これ、君の部屋。どうでしょう？｣
ふにゃっと笑うジスさんを見て、私はつられて笑みを浮かべた。
｢いいんですか？ありがとうございます。｣
ｼﾞｽ｢いえいえ。
荷物置いて、支度整ったら来て下さい。｣
｢はい。｣
急いで着ていたワンピースを脱ぎ、動きやすいデニムスキニーパンツに比較的綺麗なTシャツを着て、昨日勢いで買ったシンプルな可愛いデザインの白色のエプロンを着け、置いてあった白いふわふわのスリッパを履く。
ガチャッ
｢おまたせしました！｣
ｼﾞｽ｢わぁ、可愛いエプロンですね。こちらへどうぞ。｣
サラッと褒めて、サラッと紳士的にエスコートする。
なんて人だ。
完璧に近いぞ、これは。
からからから
引き戸を開けると、そこには出られないように板があった。
ｼﾞｽ｢あ、これ鍵です！｣
そう言って出したのは輪っかに引っかかったたくさんの鍵。
しかも物語に出てきそうな前方後円墳型の(?)
鍵穴に差し込むタイプも。
この板に鍵が着けられているそうなので、これを開けてから入るんだそうだ。
｢どれですか？｣
｢このうさぎが着いた鍵です。
見てください、この壁にうさぎの気の彫り物が着いているでしょう。
これが鍵の上の部分と対応していて、うさぎならこの鍵。くまならこの鍵。というようにして使い分けてください。
どの部屋も入口の壁についているので｣
｢凄い仕組みですね……｣
前方後円墳型の鍵穴にうさぎの着いた鍵を差し込む。
かちゃ
くるり
かちん！
｢あいたっ！｣
ｼﾞｽ｢はい、そうしたらここのポケットに収納してくださいね。さぁ、入りましょう。
皆、新しい先生が来たよ。｣
私はその部屋に1歩、踏み込んだ。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 494人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：wzcl | 作成日時：2021年9月7日 7時
