39話…拾い食い。 ページ40
エース「はいはい。よかったよかったー。
マジ、クッタクタのボロッボロ。早く帰ろうぜ。」
グリム「いっぱい魔法を使ったら腹が減ったんだゾ……
……ン?コレ、なんだ?」
と、先程バケモノがいたと思われる足元に、黒い石が落ちていた。
デュース「さっきのバケモノの残骸か?
魔法石……?いや、でもこんな石炭のように真っ黒な石は見た事がない。」
グリム「クンクン……
なんだかコレ、すげーいい匂いがするんだゾ……」
エース「うそだあ!?」
グリム「アイツが隠し持ってた飴ちゃんかもしれねーんだゾ!
うう〜っ、我慢できない!
いただきまーす!」
「ちょ!ペッしなさい!ペッ!」
グリム「う”っ!!!!!!」
デュース「おい、大丈夫か!?」
エース「あーあ。そんなもん拾い食いするから〜」
グリム「う……うううう………っっっ
うんまあま〜〜〜い!!」
「「「え”っ!?」」」
グリム「まったりとしていて、それでいてコクがあり、香ばしさと甘さが舌の上で花開く……
まるでお口の中が花畑だゾ!」
エース「げーっ。やっぱモンスターってオレたちとは味覚が違うの?」
デュース「……かもしれないな。というか……
落ちている得体の知れないものを口に入れること自体、ほとんどの人間はやらない。」
「モンスターって雑食なのね……」
グリム「がっはっは!美味美味!
心配しなくても、オレ様はオマエたちと違って、そんなヤワな腹をしれねぇんだゾ。」
エース「もー。あとで腹下して泣いても知らねーからな。」
デュース「……さぁ、気を取り直して。
この魔法石を学園長に届けに行こう!」
「そうね。
はぁ、私もなんだか疲れちゃったわ。
早く帰ってシャワー浴びたいわ。」
あの時、私がグリムを強く止めていれば……
…………あんな、残酷な未来は、迎えずに済んだのだろうか。
7人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:雪月 葵 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/862c35d2fa3/
作成日時:2022年3月29日 22時