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「そうだね。少なくとも同じではない、かな」
「ここまで私に真実を告げないとは。君たちこそ、何故私にそう黙るんだい?」
「そりゃあすぐ言っちゃったら面白くないじゃん?」

きんときは言葉少なにそう言って、ぴょんと割り込んだNakamuはにまにまと笑う。言葉も正体も、何もかも私に教えないということか。私は大きくため息をついてから、彼らに背を向けて歩き出した。え、と抜けた声が聞こえた。

「ち、ちょっと先生、それはあんまりだろ?」

私の袖を引っ張るシャークんが切実そうに言う。私は冷ややかに彼を見つめる。

「何がだ。私は言った。この場所を出なくてならない、と。だが君たちは何も言わないんだろう?だったら君たちに用は無いし、それこそ時間稼ぎをされるだけだ。だったら今すぐ立ち去る。それが正しい選択だろ?」

ぐっと彼らは押し黙る。両者共に黙り合う時間がしばらく続き、やがて大きなため息が聞こえてきた。

「先生は俺たちより上手だね。いいよ、教えるよ。で、どっちのこと?」

それはNakamuだった。彼は降参するかのように顔のそばで両手を上げている。私は注意深く彼を見やって、口を開く。

「あわよくばどちらも。だが君たちは断るよな」
「当然。謎は多ければ多いほどいいからね」
「・・・・・・なら、君たちの正体の方で」

熟考の末の回答に、彼の唇は満足そうに弧を描く。

「A先生はやっぱり賢いね!いつでもどっちを優先すべきか天秤にかけて、かつ自分を守る選択を取る。後者を侵されることがあったら、どんなに優先すべきことでも選択しない。でも、それって逃げてるよね」

すうっと、つまらなさげに彼の瞳がすがめられる。今度は私がぐっと押し黙る番。

「・・・・・・逃げることの、何が悪い。逃げずにダメージを受ける方が、状況を悪化させるだけだろ」
「うん。だから先生は賢いって言ってるの。でも逃げを優先するから、どんなことにも目を背けてる。そのせいで気づかない振りをしてる。ね?可哀想でカワイソウでしょ?」

私は目を瞑って深い息をつく。これ以上ここに居ても頭がイカれるだけだ。

「で、君たちの正体は?」

長い沈黙。その果てに彼らはにんまりと笑い、声を揃えた。

「A先生の住んでた街を破壊した、怪物」

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ばぐのばく(プロフ) - スマホ依存ゴリラさん» ご指摘ありがとうございます・・・・!すっかり忘れてました・・・・ (10月9日 22時) (レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
スマホ依存ゴリラ(プロフ) - オ.リフラ立ってます....! (10月9日 22時) (レス) @page2 id: 977a8da232 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐのばく | 作成日時:2023年10月9日 14時

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