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▶︎鬼ごっこ ページ13

赤いランプが消えない廊下を走り続ける。鬼ごっこをしている張本人である彼、らっだぁは私を積極的に捕まえずむしろわざと捕まえないようにしているよう。まるで、猫に弄ばれている鼠。

「ほらぁ〜、A先生捕まっちゃうよ?」
「はっ、捕まえる気なんか無いくせに」
「捕まえる気はあるよ〜。ただ、今じゃないってだけ」

何か意味が含まれた物言いに、私は走りながら首を傾げる。

「捕まえるのにタイミングがいるとは・・・・?」
「先生は逃げてればいいんだよ。どうせ捕まっちゃうんだから」

にま〜と私に笑いかける彼は、私を捕まえようと手を伸ばすが届くか届かないかのあたりでわざと引っ込められる。私は彼に遊ばれている。その考えがどうしようもなく私の頭を占めた。

「こんなギリギリが楽しいのか?」
「そうだよ〜。だって、捕まえるのが後になればなるほど希望を持って、んでその後絶望に落とすのがいいんじゃ〜ん」

頭のネジでも外れているのだろうか。

「それに、遊びたいのは俺だけじゃないし」
「これが遊びか」
「俺らにとっては遊びだねぇ」

軽やかに、そしてとても愉快そうに言う彼を憎たらしく思う。

「・・・・あ、そろそろかな?」

彼がそう言うや否や、背後に感じていた彼の気配が消えた。そっと振り返ると、今まで追っていた彼はまるで煙のように消えていた。本当に、人間ではないようだ。頭ではわかっていても、私はその事実を認めたくはなかった。

「・・・・・今のうちに、脱出方法と説得方法を考えなくては」

走る足を緩めて、私はその二つを考え始める。

「あの様子から察するに、逃してはくれないんだろうなぁ」

彼らはほぼ全員が全員、私に執着している。それはもう、鬱陶しいほどに。

「この緊急事態ぐらい、勘弁してくれ・・・・・」
彼らにとって、こちらの事情などどうでもいいのだろう。ただ私を捕らえることができればそれで。

「それこそ、さっさと捕まえてしまえばいいと思うのだが」

恐怖はある。しかしそれ以上に、どこからかやってくる冷静さが勝つ。
____まるで何度も経験しているかのような。

▷→←▶︎終わりの始まり



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ばぐのばく(プロフ) - スマホ依存ゴリラさん» ご指摘ありがとうございます・・・・!すっかり忘れてました・・・・ (10月9日 22時) (レス) id: c1506ac0fe (このIDを非表示/違反報告)
スマホ依存ゴリラ(プロフ) - オ.リフラ立ってます....! (10月9日 22時) (レス) @page2 id: 977a8da232 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ばぐのばく | 作成日時:2023年10月9日 14時

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